俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

食欲と芸術の秋・大阪編

ミナミで遊ぶ大阪、そして維新派

10月の連休中日。芸術の秋らしく、観劇のために大阪まで行ってきました。しかし観劇は夜公演のため、食欲の秋らしく、ミナミで串焼きをいただいてきました。
大阪の街は、実はちゃんと遊んだことがありません。観劇やライブで来たことはあっても、近場でちょこっとゴハン食べて終わりとか、そんなの場ばかり。さすがに道頓堀、心斎橋あたりは行ったことがありますが、あとはキタの梅田周辺くらいですね。
せっかく1泊2日の旅程で来たのだから、ミナミで遊ぼう! と、今回は観光も楽しむべくスケジューリング。四天王寺、新世界、今宮戎 (いまみやえびす) を歩いてきました。

東京9:30→新大阪12:06の新幹線で来阪。東京から大阪まで2時間半ちょいで行けるってスゴいねえ。
新幹線は今年で50周年だそうで、車内販売でも新幹線ホームの売店でも、めっさアピールされとりました。タンザニアも建国50周年だそうで、車内販売のコーヒーをタンザニアキリマンジャロにしてコラボしてましたよ。建国と開業を同じ土俵に載せていいのかと思いつつ、代金310円也を支払って飲みました。んまかった。
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大阪に着いて、宿泊ホテルに荷物を預けてから四天王寺へ。東京の地下鉄も大概だけれど、大阪の地下鉄構内……乗換えや出口の経路がすんごく分かりにくいよ! 独特すぎて、土地鑑のある地元民じゃないと付いていけないよ〜。
駅と駅、路線と路線のつながり方が有機的なんですよね。誰もが分かりやすい効率性ではなく、土地の人や、そのときでの最効率性で形作られた結果ではないでしょうか。非常にアジア的に感じました。ただ、観光客には分かりにくい仕様なんだぜ……。
さて、四天王寺です。聖徳太子が創建したという由緒あるお寺さんですよ。

四天王寺は昔から災害によく見舞われた寺で、ほとんどが再建された建物です。石山本願寺攻めで焼失、大阪冬の陣で焼失、江戸時代は落雷で焼失、近現代では大阪大空襲で焼失。なんか……大変だったのですねえ。
古く大きな寺は、たいていが聖域・無界=アジールとしての機能を持っています。四天王寺もそうでした。他所では生きていけない疾病者、障害者などが集まって物乞いをしたり、施行を受けたりしていました。「一遍聖絵」を見ると、当時の様子が分かって面白いですよ〜。

「日本三大舞台」のひとつ、石舞台。昔から年に一度、稚児舞が奉納されます。説経節「しんとく丸」で、主人公が舞った舞台なんだと思うと、その歴史に圧倒されますね〜。
ちなみに、背後に写り込んだ背の高いビルは「阿倍野ハルカス」です。大都市らしい新旧の風景。

こちらは西の石鳥居。西方浄土、極楽への入口といわれます。昔、この鳥居の先は難波の海でした。彼岸の中日に、この石鳥居から太陽が真西に落ちて西海に沈むのを観じて、己の極楽往生を願う「日想観」信仰のおおもとになりました。
おまけの猫ちゃん。すやすや〜。野良なのかな、エサやらないでください、と立看板がありました。


四天王寺を拝んだあとは、すぐ近くの新世界で、遅いお昼。
新世界といえば「通天閣」ですよね! 昼間だからネオンはありません。昇ろうとしたら50分待ちで、挫折。ビリケンさんに会うのは、またいずれ。

このあたり、串焼きの店ばかりですねえ。適当な店に入って、ビールといっしょに串焼き。んまいっ! でも頼みすぎてお腹が重いわ。油だからね〜、しょっぱなから飛ばしすぎちゃった。
商店街が、なぜかキン肉マンでした(笑)。味のある店が多かったです。


重いお腹をさすりながら、これもお隣にある「今宮戎 (いまみやえびす)」へ。商売の神様で、1月10日の「えべっさん」で有名なところですね。意外に小ぢんまりした社でした。

まだ「ジャンジャン横丁」へ行ってない! と、再び通天閣を通り抜けて横丁へ。このあたりも串焼きと立ち飲みの店が並び、将棋会所ではオヤジさんたちが将棋を指しています。将棋を指す人に若い人がいなかったけれど大丈夫かしら。
この辺りで疲れ、昭和な佇まいの喫茶店でコーヒータイム。

あとでガイドブックを見たら、ミックスジュースが有名な店らしいですね。コーヒーも美味しかったですよ。


コーヒーで一服後、阿倍野ハルカス(現在、日本で一番高いビル)を少しだけ冷やかしました。ここでもてっぺんには昇らない。だって時間がなくて……。
ホテルに戻って、少々休憩。

[芝居] 維新派「透視図」@大阪・中之島GATEサウスピア
10/12(土)19:30開演、於・中之島GATEサウスピア。約2時間20分ほどの公演。
維新派は大阪を拠点とする劇団で、劇場から何からすべて自分たちで組み立て、終わったあとは釘一本残さず撤収するのがモットー。芝居というよりパフォーマンスに近い作風で、……なんか面白いんですよ! いつも「今回はどんな野外劇場を組み立てるのか、演出はどうか、自然をどう取り入れるのか」が楽しみな劇団です。
今回の舞台は、大阪の街がテーマ。大阪って、先の四天王寺ではありませんが、もとは海なんですよね。自分が今立っている下は、もとは海で、水脈が縦横に奔っている。今でも大阪は多くの川が流れる水路の街、水街であります。
野外劇場も川沿いに作られ、川風に吹かれながらの観劇でした。実際に流れる川と、舞台上での水路が接続してひとつになる演出がかっこよかった!
心配していた台風も、芝居の最中には悪さをせず、最後まで観られてよかったです。

今回は、大阪で10年ぶりの野外公演ということで、いつにも増して盛り上がっていた気がします。野外劇場の前にテント屋台が立ち並び、飲食や娯楽を提供するのが通例なのですが、テント屋台の数も多かったもの。さすが地元、お膝元!


ちなみに、私が初めて維新派を観たのは、2003年の東京・新国立劇場(初台)での「nocturne 〜月下の歩行者〜」。舞台のひとつに満洲が取り上げられています。このときは、いろいろ初めての衝撃で知恵熱出たっけ。懐かしいな。