俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

芝居と休日診療と

朝起きると、昨夜ひねった右足首が痛い。えーどうしよ。折悪しく、今日は日曜、しかも13時から世田谷でお芝居だよ。
最寄りの休日診療病院をネット検索すると、外科部門は何駅も先の病院ばかり、これでは観劇時刻に間に合わない。いっそ世田谷か、会社のそばの病院にかかるか! と、いくつかメモして、自宅を出る。
くだんの芝居は、阿佐ヶ谷スパイダース「荒野に立つ」。前回の「アンチクロック〜」と同系統で、今度は一人の女性の心象風景を描いたもの。感想は下記に譲るとして、まずは病院ですよ! 会社そばの病院は、規模が大きすぎて「急患の手術中で対応できない」とか、そんなんばかりで、すぐ諦めました。結局、劇場のある三軒茶屋から1駅先の、池尻にある病院へ。電話で詳細を伝えたら、「専門の整形外科医は、日曜はおりませんが、外科医の応急処置で構わなければ」とのこと。あ、足首の捻挫(だろう)は外科ではなく、整形外科なのね。それでも構いません、と答えて、1駅ですがタクシーに乗る。だってこれ以上悪くしたくないもん! 朝に比べると腫れてきてて、ビビリの自分はもうコワゴワですよ。
レントゲンの結果、骨に異常はなし。患部に湿布を包帯で巻かれ、おそらく捻挫でしょう、後日、ちゃんと専門の整形外科医にかかってくださいね、今日は必要なければ出歩かず安静に、と念押しされて終了。看護士さんがベテランらしく、キビキビと打てば響くよう、アドバイスも頂戴しました。いい人だったなー。
安静に、と言われたものの、実はこの後も野暮用が……。悲しき休日出勤ですよ。ふんがー!

阿佐ヶ谷スパイダース「荒野に立つ」

7/31(日)14:00開演、於・世田谷シアタートラム。上演は2時間10分。劇場が小さい上に、楽日とあって満席御礼。立ち見の客も出たもよう。
前回公演の「アンチクロック〜」と同系統の話。この流れは「失われた時間を求めて」以来、変わらないですね。今回は、一人の平凡な女性の心象風景を、ミステリー仕立てで、真実は観客が選びとる形での進行。
うん、そんな嫌いじゃないです。同系統のが3回続いて慣れた、というのと、「家族」と「性」という、圭史の2大テーマ(と私が勝手に呼んでいる)が絡んでいるので、個人的には見やすかったし、暗喩も呑みこみやすかったですね。それがいいのかどうかは分からんけど。
非常に「エンゲキ」らしい試みも多く、商業演劇寄りの芝居を観ることが多かった身としては、そこも新鮮。またねえ、てらいもなく真面目にやってんのよ。圭史はほんと、まじめっこだー。変に斜にかまえないところがよい。
圭史は、日常のコマをずらすのが非常にうまい。で、ときどきマージナルなんだけど、今回はそれが有効に使われてたと思う。
中村まこと・平栗あつみの両親がよかった。あんなに娘を探してくれて、いい親だよ。あそこまで探す親は、もしかしたらあんまりいないかもしれん……。それでも、そんなでも、私とあなたの間には「荒野」がある。そんな話。
私は、圭史の作品は中盤くらいから観始めたので、そんなに知っているわけではないです。でも、下手にちょっと観ていたおかげで、これは2005年のPARCO劇場「LAST SHOW」とも一部通底するな、と思いました。美雲さんと、市川しんぺーさんの役は、たぶん同一なのではないかな。
お初の役者としては、横田栄司さんがすてきでした。