俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

枯れ専?(笑) いや、ちがいます

いま、仕事が佳境で残業残業。メールしたい相手にメールができず、ちがう方面のメール調整で日々終わり、ペインティングのまま……ごめんよ〜。
せめて、日記だけでも更新。最近読んだ漫画の紹介です。

広島を描いた『夕凪の街 桜の国』の、こうの史代作品です。原爆は関係ない、現代のお話。すごい表紙ですよねえ。
60代にして、男やもめになってしまった参平は、息子夫婦と同居することに。妻の残した「さんさん録」(参平を「参さん」と呼んでいた) を頼りに、馴れない家事をやりはじめ、家族のこと、亡き妻のこと、そしてこれからを発見していく。うーん、こんな説明では、この物語のよさが伝わらない。
各話、漫画ならではのコマ配分、オチのつけ方が凝っていて面白い。またねえ、主人公の参平さんが魅力的なのよ。だんだんシャバっ気が出てきて、地味に服装がランクアップしたり、恋したり。枯れてそうで枯れてない。
それでも、ふだんの生活は家族中心で、「あ、これ見たことある……」な風景が繰り広げられます。そのバランスがよいの。
主人公が、ただの、ふつうの男なのが (大学教授でも執事でもバーテンでもない)、この物語の成功点だと思う。ふつうの人たちにもドラマはある。何気ない日常に、浮かんでは消えていく小さなドラマを拾った本です。大人の本。