俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

平賀源内

雑司ヶ谷・鬼子母神の境内にて。

夕方からお芝居。その前に、近くまで来たので雑司ヶ谷鬼子母神に参ってきた。銀杏の黄葉がきれい。
副都心線で、渋谷まで移動する。副都心線の渋谷駅は、出口が迷路のようで大変。地上に出たくとも、ぐるぐる回るうちに元のホームに戻るか、別の線のホームに出くわす恐ろしい空間です。最近ようやく慣れたけれど、やっぱり地上までは遠いな〜。
で、今日の芝居は、シアターコクーンで「表裏源内蛙合戦」。井上ひさし原作・蜷川幸雄演出・上川隆也主演の舞台です。休憩20分はさんで、4時間20分コースと長かったけれど、なかなか楽しめました。これって歌モノだったのね。詳しい感想は後日。

蜷川幸雄×井上ひさし「表裏源内蛙合戦 (おもてうらげんないかえるがっせん)

【脚本】井上ひさし
【演出】蜷川幸雄
【音楽】朝比奈尚行
【出演】上川隆也 勝村政信 高岡早紀 豊原功補 篠原ともえ高橋努 大石継太 立石凉子 六平直政 / 他

11/22(土)18:30開演、於・渋谷シアターコクーン。上演時間は、なんと4時間20分!(休憩20分含む) 最初は4時間越えかよー、と思ったけれど、意外に時間を気にせず楽しめました。これって、よかったってことよね。
脚本は井上ひさし、演出は蜷川幸雄。この組み合せで「天保二十年のシェイクスピア」を先にやったけれど、そちらは未見。「天保」は蜷川ではなく、いのうえひでのり版だけ観てます (面白かった!)。
いのうえひでのり版の「天保」主演が上川隆也なら、今回の蜷川版「表裏」の主演も上川さん。なんとなくつながってますね。もう一人、影の主役が勝村政信さん。勝村さんが、めちゃよかった! ぞくぞくしたよもう。
粗筋をかいつまむと、江戸時代の才人、平賀源内の虚実おりまぜた一代記。源内の「表」が上川さん、「裏」が勝村さん。んで、音楽劇でした。上川さんが歌ってる! 「SHIROH」のときは歌うのヤダって言ってたらしいのに、朗々と歌ってますよ! ついニヤニヤしちゃった。あやしい観客だ。
音楽は、朝比奈尚行。可もなく不可もなく、という感じ。素直な印象で、芝居のじゃまをしない。はっきり言えば、セリフにきれいに曲をつけましたね、とは思うけれど、楽曲自体の顕ちあがりが感じられなかった。

幕があいてすぐ、舞台の後方一面に張られた鏡の演出に、客席からほうっ、とため息がもれた。舞台が「鏡台」のようになっている、といえばわかってもらえるだろうか。舞台を観る観客が観ているのは、鏡に映った自分という構図。観る自分が観られている、鏡映しに、というのが暗示めいて面白い。
平賀源内といえば「エレキテル」「土用丑の日」のイメージしかなかったが、けっこうな愛国者だったのね。エレキテル=電気、までは知っていたけれど、本来の目的は電気を使った「医療器具」だった、とは知らなんだ。
井上ひさしの脚本は多重的で面白かったが、殿様・将軍様が徹底的に「バカ殿」なのが、ちょっとかわいそうだった。トップが阿呆の悲哀が狙い、とは分かるが、歴史上の本人を思いやると、ね。
高岡早紀は色っぽくてよい。篠原ともえ(吉原の太夫役)が、意外に雰囲気出しててびっくりした。最初、シノラー(古っ)だとは思わず、出演陣の名前を確かめて驚いたよ。豊原功補さんも、舞台経験少ないわりに好演でした。くどくなかったです。