俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

ヒューストン2日目【Open House】

Down Townで見かけた像。ひねりが利い

ヒューストン2日目・昼の部【Open House】

8/24 (日)。今日は Down Town で、劇場の舞台裏ツアーです。
年に一度、劇場が舞台裏を公開したり無料イベントをやってくれる企画日で、「Theater District Open House」というもの。現代劇、ミュージカル、バレエ、音楽ホールと、ジャンルの異なる劇場が4軒並ぶ一画で、楽しい午後を過ごしてきましたよ。

9:00起床、朝ごはん。友達の手作りブルーベリー・ジャムがうまっ! 同行の友達3人とも、毎日おいしくいただきました。Open House は12:00〜17:00の開催。お目当ての舞台裏ツアーは人気なので「早めに行ったほうがいい」と、さっそく車で出かけることに。帰国までの1週間、外出はすべて車です。
10:40に友達宅を出て、11:30に Down Town 到着。わざわざ遠回りをして、高級住宅街を通ってもらったよ。ドライブ中、手持ちの民族音楽CDをかけてもらったら、私以外の全員が「あー…、眠くなりそう」で一致。あれ? 予想(妄想)では「まあ、なんて変わった音楽」と盛り上がるはずが、けだるい昼下がりの雰囲気に……まだ午前中よ! というわけで雑談タイム。友人夫妻からヒューストン事情を聞いたり、まったく関係のない話をしたりで、1時間があっという間だった。

さて、Open House で訪れた4つの劇場を順番に。
【Alley Theatre:現代劇中心の劇場】
最初に行ったのがここ、Alley Theatre。早めに着いたので、客に振る舞われている飲料「root beer(ルートビア)」を飲みながら、開場を待つ。

写真左は、劇場正面玄関から見た Down Town。中央は、root beer を振る舞ってくれたおじさん。「root beer (ルートビア)」といっても、馴染みのない方がほとんどでしょう。私もアメリカに来て、初めて飲みました。ハーブの炭酸飲料で、外見はコカ・コーラ。しかしその味は「Dr Peppar (ドクター・ペッパー)」、もっと言えば「亀ゼリーみたい」(試飲した友達の一言)。味は亀ゼリーでも、アメリカでは人気の飲物だそうです。へええ。

ここでは、舞台裏やアトリエなどを見せてくれる、バックステージ・ツアーに参加。楽屋裏→稽古場→衣裳→大道具アトリエを拝見。写真左は衣裳部屋、右は大道具を作るアトリエです。衣裳部屋がかわいかった! 大道具のアトリエは、もともと劇場にするつもりが、消防法が変わったか何かで引っかかり、アトリエになったのだとか。
職員さんがボランティアで案内・解説してくれるのを「それも、勤務評価に反映されますから」と、ご主人がさらっと教えてくださいました。ボランティア活動を評価につなげるあたり、アメリカという感じがしますね。
稽古場のアトリエでは、中年の俳優さんが解説。英語ネイティブのスピードに全くついていけない我々のため、友人夫妻が小声で通訳してくれました。
この劇場は、企画・制作・育成の全部を自分たちで賄っているようで、全米でも珍しいとのこと。だから、衣裳部屋でちくちく服を作っているのね。俳優の訛りも正すんだとか。最初はクールだった俳優さんが、「“舞台ありき”で芝居が出来るから、この劇場にいる」「TVや映画もいいけど、それは何度見ても同じもの。舞台は1回限りの一期一会で、毎回ちがうのが素晴らしい」と、急に熱く語りだしてびっくりした。舞台の一回性については、まったく同意見です。
バックステージ・ツアーだけではなく、小劇場で小道具の解説展示をしたり、子供相手にワークショップを開いたりと、いろいろやっていて面白かったです。

【Hobby Center:ミュージカル劇場】
14:30〜15:00、「TUTS Season Musical Revue」を目当てに行く。ミュージカル俳優が、男女二人で次々と Musical Number を歌ってくれるのです。服装はアメリカンな休日スタイルだけれど、小芝居の味つけをしたパフォーマンスで楽しませてくれました。オズの魔法使い屋根の上のバイオリン弾き、チキチキバンバン……個人的に好きな曲「Over the Rainbow」では、条件反射で泣きそうになっちゃった。無料とあって、客席はなかなかの入り、盛況でした。

写真左は劇場ロビー。ここでは水のペットポトルを配ったり、ジュースの試飲や、一口サイズのチョコケーキ・クッキーなどの振舞がありました。右は、劇場内部の天井。小さい画面のままだと分かりにくいけれど、プラネタリウムの天の川みたいになっています。クリックしてどうぞ

【Wortham Theater Center:バレエ劇場】
ここも楽しかった! バレエ専門の劇場で、団員のダンサーたちが「胡桃割り人形」その他のコスチュームで出迎えてくれます。希望者に舞台メイクを施すサービスが、行列ができるほどの人気。我々は行列を横目に、ダンサーの方々と記念撮影してご満悦。ロビー脇の小部屋では、セルフサービスのレモネードや、クラッカー類が置いてありました。時間が遅かったので、クラッカー程度しか残ってなかったな〜。レモネードを飲んで元気回復。

写真左が、劇場ロビー。華やかで、ここが一番テンション上がりましたね。このあと客席舞台を見学し、舞台にも上がらせてもらいました。写真中央は、舞台裏で陳列されていた「Swan Lake」衣裳の数々。右は、舞台の上から客席を臨んで。しがない観客の身でも、舞台の上に立つと妙な昂揚感にとらわれます。観客の前でスポットライトを浴びる歓びを味わうと、そりゃあ役者稼業はやめれんだろうなあ。

【Jones Hall:音楽劇場】
15:30か、すでに半を回っていたか、ギリギリに駆けこみ、またもやバックステージ・ツアー(約30分)に参加。最初の演劇劇場とはまた違った雰囲気で、淡々と進みました。ツアー終了後の16時〜17時は、オーケストラの無料ミニコンサート。客席に入ると、クーラーがキンキンに冷えてさぶっ! 風邪引きそうなくらいに寒くて、8月なのに厚手のジャケットが欲しくなりましたわ。

写真左はコンサートの様子。一般客向けの優しい構成で、ベートーベン「運命」、風と共に去りぬ「タラのテーマ」など。タラのテーマに、さすがアメリカ! 南部! と思ったら、友達のご主人が「舞台はテキサスではなく、ジョージア州なんですけれどね」とニヤリ。ここテキサス州は、メキシコと縁が深く、いわゆる“南部”とは言いがたいらしい (すみません、この辺りうろ覚えです……)。確かに、黒人よりヒスパニックが断然多い土地柄です。それによく考えたら、テキサスといえばカウ・ボーイ。西部じゃん! なるほど〜。
写真右は、巡回中のおまわりさん。今日はイベント・デイなので、馬に乗って雰囲気を盛り上げています。ちゃんと、馬用の水飲み場もあるんですって。ご苦労さまです!

2日目・夜の部【ステーキ!】

Jones Hall のミニコンサートで、Open House 見学を〆、一路友人宅へ。帰りの車はすいすい進み、30分ちょいで到着。軽く休憩をとり、今度はステーキ・ハウスへ。

何の説明がいりましょうか。美味しかった……。赤身の肉がジューシィで、霜降りとはまたちがう柔らかさ。日本では味わうことのできない類いの旨さです。網焼きステーキにするか迷ったけれど、「サーロイン・ステーキが、スライスされて出てくる」というのに興味を持ち、そちらを注文。それが写真中央です。見ているだけで、記憶がよみがえるわ〜。写真右は、奥がビールグラス (中ジョッキに近い大きさ)、手前のカップが「ステーキ・スープ」。これがまた、肉の旨みを凝縮したお味で……まったく、アメリカの肉は忘れがたいですね。

帰宅後、紅茶やビールを飲みながら雑談。すっかり過ごしてしまい、22:30頃解散。楽しすぎて、夜分まで友人夫妻を付き合わせてしまった。申し訳ない。ヒューストン2日目、朝からつづく昂奮のせいか、時差ボケをほとんど感じない1日だった。零時就寝。