俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

青い鳥ふうでもある

台風一過のわりに、すっきりしない天気。午前中はよかったんだけど、また空が鈍色になっちゃった。天気予報を見ようとTVをつけたら、新潟中越沖地震の映像が。2004年10月の新潟中越地震から、まだ3年も経っていない。被災地の方々には、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。
台風に地震と、大変な日本列島の3連休、最終日は映画。アキ・カウリスマキ監督の「街のあかり」。
アキ・カウリスマキ監督生誕50年! 渋谷ユーロスペース25周年記念作品”――て、監督が故人みたいな言い回しよね。もちろんご存命です。むしろ、50歳はまだ若いよ。2006年のアカデミー賞をとったマーティン・スコセッシは65歳だし、ジェームス・キャメロンだって53だもの。ジム・ジャームッシュも54歳なのね!(いつのまに……) ティム・バートンが、わずかに49。アキの50がどうしたの。

アキ・カウリスマキ監督「街のあかり」

渋谷ユーロスペース、17:10の回。七夕公開から1週間ちょいとはいえ、ほぼ満席の盛況。人気なのね〜。
「浮き雲」「過去のない男」に続く、“敗者三部作”の完結編とのこと。監督の言によると、「浮き雲」は“失業”、「過去のない男」は“ホームレス”、今回の「街のあかり」では“孤独”がテーマという。たしかに、前作「過去のない男」のような交情の暖かみは極度に抑えられていた。淡々とした描写はちょっと容赦ないくらいだが、愛を求める主人公が、最後の最後に手にする温もりに、希望の“あかり”がさしている。

個人的にいいなあと思ったのは、出演者が中高年ばかりのところ。シケてて味のある顔ばかり。主人公コイスティネンの、夜警のツナギ服に鍵束じゃらじゃらも、ちょう好み! まじかっくいー。ほどよく、若くないとこがいいのよ。無地紺のジャンパーを着込み、きっちり上までジッパーを上げているのが好き。
主人公のさすらうさまを、監督が「まるでチャップリンの『街の灯』のように」と例えたのに、同じチャップリンの「犬の生活」も思い出した。どちらも名作です。

●映画「街のあかり」公式サイト (音あり、注意)
 http://www.machino-akari.com/

ついでに、前作のDVDもご紹介。映画サントラもおすすめです。昔の昭和歌謡のようなムーディさ。いや、古賀メロディか文部省唱歌か? かと思えばクレイジーケンバンドも混じってて、面白いですよ。