俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

昼よるハシゴ

今日はいい天気。昼、夜と連続で予定が入っている。
14:00から、池袋で「シベリア少女鉄道」の芝居。18:30から、お台場で堂本剛ソロ・プロジェクトENDLICHERI☆ENDLICHERI」コンサート。

シベリア少女鉄道 vol.17「永遠かもしれない」

【作・演出】土屋亮一
【出演】前畑陽平/篠塚茜/加藤雅人 (ラブリーヨーヨー)/吉原朱美 (ベターポーヅ)/浜口綾子/石松太一

6/2 (土)、14:00開演、於・池袋シアターグリーン。上演時間は2時間30分弱。客席は、けっこう男性率高し。女性6:男性4か、半分近くは男性と見た。男受けする劇団なのかな?
久々の小劇場空間で、お初の若手劇団。ここ数年、よく聞く名前で、機会があれば一度観てみたいと思っていたところ。どんな芸風の劇団なのか、まったく予備知識なしに観た。
……うーん。面白いともつまらんとも言いがたいわ。以下、ネタバレありですよ。
・2時間半は長すぎ
・前半はつまらない。5分で帰りたくなった
・後半のネタが始まってからは俄然おもしろくなる
・それでも、ときどきやりすぎがウザい(それもネタの一環だろけどさー)
忠臣蔵に爆笑
おおざっぱにまとめると、こんなとこ。
前半は、ほんとに5分で帰りたくなった。個人的に、きらいな設定で始まったのも大きい。「死にオチで始まる」「自分だけ生き残ってしまった主人公が、心に負い目を抱えて、前向きに生きようとするが、どうしても過去を引きずってしまう」「そんな俺を見守ってきたあの子」「まだあの人が忘れられないんですか」勘弁してよー!
先に逝った者たちが出てきて、セリフを言いはじめたときは、あーあーあー、ありがち展開と、どんどん自分の視線が冷たくなっていく。漫才の前半部分では、限りなく零度。所々、笑い声も起きていたけれど、自分は乗れず。漫才師と役者は、やっぱしちがうんよ。間 (ま) のない応酬はキライ! セリフ量の多い主役は、へろって声が聞き取りにくくなってるし。
一人ツンドラ状態だった観劇が、がらっと変わったのは、主役漫才師がはじけた後半のネタ合戦から。
異世界ファンタジー (同行者いわく「RPG」。なるほど!)、野球漫画 (女性監督は「おお振り」から?)、忠臣蔵 (ネタ混合ミックス)。ここでいう「ネタ」とは、「お約束」のことである。
ダントツでおもしろかったのは「忠臣蔵」。タイムトリップ、サザエさんが双璧。サザエさんのつなげ方はすごい!
あと「前回までのあらすじ」も捨てがたーい。人数いれ替えネタも。セリフ量がハンパないので、役者さんたちは大変だったと思う。繰り返しのギャグが好んで使われていたが、時折、やりすぎに引いてしまうときがあった。さじ加減がむずかしいね。

全体的に、芝居というより、コント集の印象。漫画やゲームの「お約束」を、うまく使ってつないでいる。前半の、一応シリアスっぽい「一人生き残った自分」も、お約束といえばお約束だよね。お約束リンクはしてるんだ。
前半のつまらなさは、役者たちが「コント」はできるけれど、「芝居」はできないせいかも、と思った。前半は笑いを排除したつくりだから、ストレート・プレイ??役者のまじめな演技が要求される。でも、できていない。お約束のイメージ通りになぞっているだけ。芝居の余地がない。笑いもシリアスができてこそなので、前半のまじめ部分もこなせるようになってほしい。役者さんの質は悪くないと思うので (えらそうな言い方ですみません)、前半が見せられるようになれば、後半との落差がもっと生きると思うよ。
役者では、ツッコミ役の篠塚茜さん、「ベターポーヅ」から客演の吉原朱美さんがよかった。「ベターポーヅ」、次回公演で解散なんだね〜 。チラシに最終公演、て書いてあった。しみじみ、旗揚げから14年か……。
シベ少は初めてで、いつも、こういうオチなしの落としなのかが分からない。前半シリアスをきちんと、というのと通じるけれど、お約束をとっぱらった、オリジナルの喜劇はできるのかしら。後半のお約束ネタの羅列や引用、パロディは面白かったんだけど、毎回そうだと、飽きそうだなあと思ったので。それだったら、芝居じゃなくてコントで十分じゃないかしら。てか、てっとりばやいよね。

ENDLICHERI☆ENDLICHERINeo Africa Rainbow Ax」〜FANKY PARTY 2007 at The ENDLI. WATER TANK 2

6/2 (土)、18:30開演、於・The ENDLI. WATER TANK 2 (お台場・青海J地区特設会場)。約3時間の公演。
Kinki KIds堂本剛の、ソロ・プロジェクトENDLICHERI☆ENDLICHERI (エンドリケリー・エンドリケリー)」のライブ。このソロ・プロジェクトは2005年12月より開始された。これより堂本剛は、ソロでのアーティスト名を「ENDLICHERI (エンドリケリー)」として活動している。コンサート中のかけ声は「ケリー」。以下めんどうだからカタカナ表記にするけど、「エンドリケリー」とは、堂本剛が飼っている熱帯魚「ポリプテルス・エンドリケリー・エンドリケリー」から採ったもの。この熱帯魚は古代魚でもあり、「生きた化石」とも呼ばれているそうな。
このコンサートのために作られた特設会場は「The ENDLI. WATER TANK 2」。昨年は巨大水槽に見立てた会場だったらしいが、今年は宇宙船みたい。ケリーが乗るマザーシップ(宇宙船)がイメージ、らしい。エンドリケリーのテーマ・カラーである紫が、随所に使われている。会場内は、なかなか凝った作りだった。

ケリー(堂本剛)は、出身地の奈良を愛しているらしい。今回のアルバム、ツアー名の単語頭文字を並べると「NARA」。ライブの巨大スクリーン映像でも、日本地図から浮かび上がる「NARA」が流れるくらい。そして、今回のツアー・テーマは「宇宙」*1

以上、簡単ながら「エンドリケリー」の説明です。ケリーのこだわりや、思い入れが伝わったでしょうか。
実際にライブを観ての感想。「ケリーのケリーによるケリーのための公演」。
この公演で一番癒されているのは、ケリーさん本人でしょうね。それと、「TOMMY」*2を思い出した。ケリーとTOMMYが、だぶるわ〜。
総立ちの観客を前に、つかみの第1曲目からローテンポの静かな歌い上げ。さすがダウナー系。次からはアップテンポな曲がつづいたけれど、しょっぱなからローできたか。そして、インストが多い (昨年は、歌が多かったそうです)。歌が始まるのかと待ち構えていると、えんえん演奏「だけ」。演奏している人たちは楽しそうですね。途中で疲れて座っちゃったよ。でも、ファンの皆さんは、アンコールまでの2時間半、ほとんどの方がずっと立っていらっしゃいました。えらいな〜。
アンコールは30分。ここで、ケリーのトーク

エンドリのライブは、堂本剛君が好きな人が行くためのものだと悟った。SMAP以外のジャニコン(エンドリとジャニコンを同じ範疇にしている時点で間違い)はどんなものかと、ステージングに興味があってお誘いを受けたのだけれど、正直ついていけんかったです。歌は、うまかったんですけどね〜。通りいっぺんの興味だけでは、自分の場合、3時間はきつかった (ケリーさんに限らず、どのアーティストにも言えることですね)。昨年は、インストより歌が多めで、もう少しコンサート形態らしかったそうだけど、どうなのだろう。ケリーさんの癒しがすすんで、また次のステージにあがるといいな。

*1:ケリー自身のテーマ解説がある「産経スポーツ」2007年3月16日付記事のキャッシュ「お台場に宇宙空間が出現! “ケリー”新公演は愛と驚きを展開」、「スポーツ報知」2007年3月15日付「これからは『ケリー』と呼んで」参照。

*2:「TOMMY」…もとはロックバンド「The WHO」のコンセプト・アルバム。このアルバムを基に映画化、ミュージカル化される。内容については、チケットぴあの「ブロードウェイミュージカル『トミー』」を参照。なにしろ、決めのセリフが「See Me, Feel Me, Touch Me, Heal Me」ですよ。