俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

朝の連続テレビ小説

田辺写真館が見た”昭和” 私の大阪八景 (岩波現代文庫)
今月から、藤山直美さん主演の朝ドラ「芋たこなんきん」が始まった。作家の田辺聖子さんをモデルにしたドラマで、関西出身の作家の半生記らしく、出演者も関西人で固めている。これがけっこう面白いんだなあ。田辺さんの自伝的小説やエッセイを基にした脚本は、読者なら「これはあのエピソード」「このタイトルはあの作品のもじり」と分かって、心にくい。朝ドラでは、主人公の生家は写真館だが、田辺さんの生家も同じ。建物もそっくりに作ってある!『田辺写真館が見た“昭和”』中の写真とクリソツ。NHK本気だぜ。
ヒロインの藤山直美さんは、オバハンぽいときもあるが、やっぱりうまい。回想として入る昭和10年代の子役も、なんというか「昭和顔」で、かわゆいの。この少女編の、主人公の両親がTOKIOの城島くんと鈴木杏樹、祖父に岸部一徳さん。あーもう一徳さん、かっこいい! ものすごくダンディやわー。曽祖母淡島千景さん。でや! という感じの布陣ですな。
現代編(といっても、昭和40年代)では、ヒロインが通っている“浪花文学学校”の講師に、板尾創路。“並木賞作家”の池内幸三役である。並木賞て。でも、かっこがよろしいわあ。ちなみに、主人公の名前は「花岡町子」。たしか制作発表では『私の大阪八景』の主人公・武田トキコの名を、そのまま踏襲していたのに*1。昔の朝ドラ「マー姉ちゃん」へのオマージュかな? 「マー姉ちゃん」の舞台は東京、「サザエさん」を描いた長谷川町子の、これまた半生記でした (語り手は妹)。もちろん名前は“マチ子”。この朝ドラ、好きだったわー。初めての単行本「サザエさん」が、大量に返本されて途方にくれるシーンを、なぜか今でも覚えています。って縁起わる。返本されたあと、巻き返して売りきったのよね。「芋たこなんきん」、楽しく観られるのでいいですよー。

*1:『私の大阪八景』:田辺聖子著。自伝的小説で、戦中戦後を少女の視点で見つめたもの。名作です。