俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

パリ4日目【シャルトル・ブルー】

9/7 (木)、パリ4日目。今日は郊外へお出かけの日。

シャルトル(ノートルダム大聖堂)→ サンジェルマン・デ・プレ界隈(ラデュレサロン・ド・テ)→ オルセー美術館セーヌ川下り

本来は、昨日がシャルトルで、今日は夕方まで単独行動・夕方から合流してオルセーの予定だったが、自分の沈没で、予定を組み替えたもの。パリ郊外のシャルトルは、世界遺産ノートルダム大聖堂がある街。ステンドガラスが有名で、その深い青は「シャルトル・ブルー」と呼ばれる。ステンドガラスや教会大好きっ子にとって、たまらん場所でした。
モンパルナス駅から、フランス国鉄SNCF)で約1時間。電車の本数は1時間に1~2本、とガイドブックにあったので、事前にネットで調べておいた。往復の旅程は以下の通り。

モンパルナス 09:15 → シャルトル 10:24
シャルトル 13:41 → モンパルナス 14:47

出発駅が大きく、切符を買うのも手間取りそうだったので、8:30すぎには駅に到着。予想通り、切符購入が大変だった。窓口で買いたくても「自動券売機はあちら」と、あしらわれてしまう。券売機はタッチパネル式。画面の説明文は、仏語・英語のいずれかが選べます。現金の差し込み口がなくて、カード対応のみ! カード社会だなあ。緊張したよ。

片道1時間の普通列車で、特急でもないのに、観光仕様の車内だった。他の電車は東海道線総武線の雰囲気ただよう横一列の長椅子、年期のあるBOX席なのに、シャルトル行は小奇麗で、座席背面のトレイも付いている。パリを離れると、すぐに車窓はさびしくなった。人家少なっ! だだっぴろい野原に、点々と木が生えている。富良野か美瑛か、北海道のような風景。また、列車のスピードがおそろしく速い。一応普通列車のはずだが、気分は新幹線である。

シャルトル駅からノートルダム大聖堂までは、ほんのすぐ。せいぜい徒歩10分。高い建物がないので、駅から丸見えである。着いたときは曇りで、ステンドガラスに陽の光が入らず、美しさを堪能できないのではないかと思ったが、途中から晴れたようだ。

ステンドガラスの美しさは、やはり生で見ないと伝わらない。大聖堂の内部は予想以上に広く、天井も高かった。大きな薔薇窓、連綿とつづくステンドガラス。今の技術では、昔のような深い青みは出せないらしく、この大聖堂のステンドガラスは、その美しい青を称えて「シャルトル・ブルー」と呼ばれている。小一時間が、あっという間にすぎた。
 
大聖堂内部を拝観するのは無料だが、塔をのぼるのは6.1ユーロ。狭いらせん階段をひたすら上がり、息が切れるきれる。中ほどで、ベランダのようなところに出られるが、柵が低くて足がすくむ。こんなベランダに出て、風吹いたらひぬわー。こうなりゃ意地で、最後までのぼる。天辺は、石造りの塀が胸の高さまであって、なんとか一歩踏み出すことができた。地平線の見える、はるばるとした視界。
大聖堂を出て、古い街並み散歩。歩道に嵌めこまれていた、巡礼者マークがかわいい。

帰りの電車の時刻が近づいてきた。大聖堂に別れを告げ、駅のキオスクで簡単お昼を購入。


モンパルナス駅から、バスでサンジェルマン・デ・プレまで。15時台である。マカロン菓子の店「ラデュレ」のサロン・ド・テでお茶。1階は店舗と喫煙ティールーム(南国風?)、2階は禁煙ティールーム(第二次帝政時代風)に分かれており、2階の禁煙にあがる。キャラメル・ティーと、ピスタチオ・マカロンのケーキを注文。友達はローズ・マカロン。おいひーい!

隣の席は、フランス人のグランマとママが、赤子と幼児を連れて一休みしていた。この小さな兄弟が、むちゃかわいい。お兄ちゃんは3〜4歳くらいで、金色巻き毛に林檎のほっぺ、「マカロン食べたーい! チョコ、チョコ!」と、ママに主張している。ときどき、乳幼児の弟をかまうのが、これまた頬ずりしたいくらい。と、お兄ちゃんがにっこり笑って弟の手をとり、
「チュバッ!」
盛大に音をたててキスをした。ショックでしたね。こーんな小さい子でも、音をたててキスをするんだ……。どうしてフランスでは、みんな音をたててキスをするの? 男性同士のビジネスランチでも、終わったらハグして両頬に「チュバッ!」。吸盤を離したときのような、ポコペン的音をたてるのです。いちいち音をたてないと、敵対してると思われるのかしら。これだけは馴染めん。しかし兄弟は、天使のようにかわいかった……。でもチュバ……。

総菜&パスィテリー「ジェラール・ミュロ」の、おいしそうなディスプレイを拝みつつ、オルセー美術館へ。着いたのは18:00過ぎだが、今日は夜間21:45までの開館なので大丈夫。集合時間を決めて、思い思いの作品を観に散らばる。新聞の日曜欄や、美術の教科書で見たような絵がずらり。すごいなー。他にも彫刻や、アールデコの家具などがあって時間が足りない!

写真は、オルセー美術館と象の彫刻。ぱおーん。右の絵はオルセーの所蔵で、なんだか手塚治虫っぽかったので、思わず一枚。
夕食は、オルセーの食堂にて。団体客メインなのか、個人客はガラスで仕切られた小さなフロアに案内される。内装はいっしょだけれど、ちょっぴりさみしいわ。しかし、食事はリーズナブルな値段の割に、おいしくて満足! 係のお姉さんがはきはきと動き回り、各テーブルをサーブしていたのがかっこよかった。


オルセーを出たのは、閉館直前。時刻は21:30を回っている。ここで帰宿? いえいえ、最後のイベントがあるのでございますよ。
セーヌ川下り!
昨日、セーヌ河畔で見て、デッキの客の気持ちよさそうな感じに、もうこれやる! と、急遽予定に組み入れたもの。22:00の船に間に合ったつもりが、出発は22:30だった。あららー。屋根のないデッキ2階で、出発を待つ。エッフェル塔近くの船着き場で、びかびか光る塔を見ることができた。やったね。
しかし寒い。
昼間は暑くて、半袖で充分だったのに、今は長袖、上着も欲しいくらい。風が冷たいの。デッキの客を見ると、薄着なのは歴然と観光客で、地元らしき人々は、セーターやショール、革ジャンを着ている人すらいる。欲しいー。(腕をさすりながら)
寒いながらも、根性でデッキ上に。橋の下をくぐったり、ライトアップされた両岸の夜景を見るのは、やっぱり楽しい。しかし、川をUターンして戻るころには、一人、また一人とデッキから脱落者が……。下の窓あり空調部屋に降りていくのだ。ワタシ、かなりがんばりました。出発時には満載だった2階客が、片手か両手の人数になるまで居ました。下に降りたときは、まじ暖かかったよ。

写真は、セーヌ川下りで、Uターンして戻ってきたときの1枚。エッフェル塔です。船を降りると、23:45くらい。すっかり夜更かし。タクシーで帰宿。なかなか捕まらなくて、難儀でしたわ。