俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

映画「RENT」

そこそこ晴れの昼、布団を干して、ちょっと場を外したら大粒の雨が弾丸のように降ってきた。気がついたときには半濡れ。こちらは半泣き。平らにのばして、今年初のエアコン「ドライ」1時間タイマー作動。で、出かける。
お茶がてらブツのやりとりをしたあと、二手に別れて、こちらは渋谷「ル・シネマ」へ。映画「RENT」16:40の回を狙ったのだが、すでに満席。まだ1時間以上前なのに! 終映間近、最後の土日で混んでいるのね。詮なく、次の19:30の回を申し込む。こちらも受付ギリギリの整理番号だった。すごいなー。
大量のあまり時間、ブックファーストをのぞき、バーゲン初日を早々と敗退し、知人へのお礼の品を買い、東横のれん街を流して喫茶店でダベり。同行者と「大河に隆慶一郎を!」で、大盛り上がり。作品選定から脚本家、役者、勝手にキャスティングですんごい楽しかった。長くなるので書きません。意外と時間てつぶれるもんですね。
そして「RENT」。こーれはよかった! まっさきに楽曲がいい。どの曲もハズレなし。これは観る方も演る方も、ハマるだろうなあ。山本耕史君がウザイくらいに、レントーレントー連呼するはずだわ。あと、やっぱり日本語でミュージカルは難しいなあとも思った。終映後、ロビーでパンフレットと映画サントラを購入。今秋の来日版舞台「RENT」のチケットも、ロビー出口で販売していたが、観終わった人がけっこう群がってました。舞台でも観たくなっちゃうよね。来日版舞台をご覧になる方は、映画パンフ購入をお勧めします。採録シナリオが載ってますー。も少し詳しい感想は下記参照。

映画「RENT」

1996年、オフ・ブロードウェイから秒速でオン・ブロードウェイに上がり、今なおロングランを続けているロック・ミュージカルの映画化。主要キャスト8名のうち、2名(ダンサーのミミ、エリート女弁護士のジョアンヌ)を除いて、初演時のオリジナル・メンバーを集めている。
とにかく「楽曲がいい!」。圧倒的にいいのね。ロック・ミュージカルといい条、R&Bやゴスペルなども楽曲に取り入れているらしい。セリフが自然に歌になっておかしくないのは、やはり原語の英語だから? ミュージカルとして素晴らしいだけに、脇道にそれて、日本語ミュージカルの可能性を考えてしまう。日本語は、洋モノにのせるには、湿気っている。重い気がする。てか、素面で「月明かりに輝く君の髪〜♪」とか、「君こそ僕が求めていた曲〜♪」とか歌えませんて! それに西洋音階の7音(ドレミファソラシド)と、東洋〜東欧の5音(たとえばラドレミソラ)で、音階もちがうんだよね。

楽曲以外のことを。
初演オリジナルキャストを集めたのはエライ。でもちょい老けてる……初演は9年前だものねえ。「ラ・ボエーム」を下敷きにした、貧乏アーティストたちの話なので、本当は20代そこそこの役柄のはず。実際、彼らも初演時は20代まっさかりだったけれど、今の実年齢は30代半ば。画面的に、ちときついときも。でも、歌や雰囲気はさすが。
個人的なお気に入りはミミとジョアンナ。普通に恋する乙女なのが、かわいいッ!
でも、ロジャーはダメ夫君だよね。やっぱり男も顔なんでしょうか。ロジャーの相棒、マークはメガネ君。他の皆はカップルなのに、この人だけいつも1人……。モーリーンにフラれて1年経っても1人……。ファッションセンスといい、元カノに便利に使われるさまといい、恋愛に関しては「いい人なんだけどね〜」で終わるタイプ。
エンジェルは、ファンタジーだと思った。「こんないい人、現実にはいませんよね」と同行者に言ったら、「だから“天使”なのよ」と返され、目からウロコ。そうかー!

物語上、ワリを食ってるのは、金持ち娘と結婚して、ロジャー&マークたちから裏切者呼ばわりされる、ベニー。彼は現実路線で夢をかなえようとしてるのに、それが自分たちの利害と対立したら「卑怯者」かい。ずーっと家賃タダで暮らそうと思ってたんかい。甘くね? 少しばかりベニーに同情。
抗議ライブ・デモで、モーリーンが歌っていた、牛が月を飛び越える話は、マザーグースかしら。だからって「皆で“モー”って言いましょう。ほら、もっと大きく!」「モ、モ、モウ〜」そりゃー暴動が起きるわ。