俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

トラピストと温泉、ケーキにバーガーの2days【函館】

函館2日目。どんどん予定が変わっていった日だった。
朝7:30起床。昨日ハイなまま行動したのと、午前2:00までしゃべっていたのとで反動がきた。も、朝からだるーい。早起きは苦手なのです。
ホテルの「市場の朝飯」朝食プラン(「はこだて海鮮市場」内での朝食を600円で提供、送迎タクシーチケット付)を申し込んでいたため、8:20頃、ホテルを出る。いわゆる函館駅前の「朝市」ではない。赤レンガ倉庫「はこだて海鮮市場」の食堂、「海鮮食堂いかいか亭」である。どうも赤レンガ倉庫に、縁があるなあ。
この朝食プランでは、事前に4つのコースから1つ選ぶよう、ホテル側から求められる。それで先に注文しておいたのが「海鮮丼」(特製ほっけのすり身汁つき)。新鮮でおいしい! 量もたっぷりで、目が覚めてくる。ウニが、ちゃんとウニだった。溶けてもおらず乾いてもいない。港町サイコー。イカ刺しは、生姜おろしがまぶされてた。あとから調べたら、函館では生姜おろしと一緒にいただくのが普通らしい。

割箸の向きが逆なのは、自分が左利きのせいです。箸袋の文字がさかさまだー。こうした丼・定食の他にも、カニやホッケ、イカ刺しの単品メニューもあり。
9:10、食堂を出て、海岸沿いに駅方面へ向かう。イカそうめんや海鮮丼、海産物の直売店で有名な「朝市」は、駅のすぐ手前にある。ここの呼び込みがすごかったー。店の人が道路に出てきて「お姉さんお姉さん、安いよー」「朝ご飯まだ?」なんか風俗っぽいんですけど。前2回来たときは (数年前だけれど)、もっとおとなしかったような……。シーズンオフとはいえ、そんなに困っているのだろうか。農産物、乾物を売る市場の区画もあり、そこはまあ普通でした。
さて、朝の散歩はこれで終了ではない。駅からさらに徒歩10分ほど、函館市総合福祉センター前にある「土方歳三最期の地碑」に参ってきました。特に目印のない、普通の通りにポカッとあります。

左が碑で、右の木造の柵みたいなのは「一本木関門」。土方さんの亡骸は行方不明で、彼が撃たれて亡くなったと言われる一本木の関門を、モニュメントのように供えたもの。生花と線香が新しかったです。実際、すぐに後続のお参り人が現れました。改めて人気を実感。
土方歳三さんの碑からは、タクシーを呼んでホテルに戻った。運転手さんのいわく、「あの碑も、道路を作るんで移動したんですよ」「自分の小さかったとき、この碑は野っ原に建ってましたからね」とのことです。

朝食の店から駅は15分、そこから碑は10分ちょいなのに、ホテルに戻ったのは、出てから2時間以上の10:40頃。赤レンガ倉庫のお土産館 (ナマ物も菓子類もそろっていて便利。地ビールはここで購入)や、青函連絡船摩周丸」記念館をのぞいたり、道草ばっか食ってたからなあ。摩周丸の船内は、料金がかかるので脇で見るだけ。「青函連絡船だー」「飢餓海峡ですよ!」などと言い合う。

さすがに歩きつかれて、ホテルでしばし休息。1Fラウンジの手作りケーキに魅かれて、部屋でいただく。見た目は一昔前の100円ケーキのようだけど、これが意外に! おいしい。写真は左から、抹茶、栗、ラズベリー。左2つが自分で、右ラズベリーが同行者の分。どれも甘すぎず薄すぎず、大人の味です。1個250〜280円ながら、実力高し。「ホテル函館ロイヤル」のケーキです。

甘いものを食べたら眠くなって、30分ほど昼寝。自堕落な旅はすてきね。疲れをとって12:20前後、トラピスト修道院までタクシー。自分の小さい頃は「トラピスト」だったけれど、今は「トラピスチヌ」と呼ばせているみたい。曇天だった空が、小雨にかわる。修道院には、団体さんも含め、ちらほら観光客の姿があった。洋風庭園の庭木は、まだ冬支度で薦をかぶってました。修道院の内部には入れず、高い塀に囲われた建物を、洋風庭園から見やる程度です。土産売場は別に設けてあり、「マダレナ (マドレーヌ)」や、80代90代のシスターが刺繍した布巾などは、ここでしか買えないもの。そんな布巾、もったいなくて使えないよー。自分は昔から、尼寺や修道院の禁欲清廉な生活に憧れているのですが、やはり煩悩多き身の上には大変そうです……。

本当はトラピストのあとに回転寿司のつもりが、昼前のケーキが効いてて、お腹がまったく空いてない。先に温泉に行くことにする。函館には日帰りできる距離に、温泉があるのです。
湯の川温泉まで、再びタクシー。この運転手さんは控えめながら、自分の見識を持っており、そういう人と話をするのは楽しかった。札幌以下の南と北では、ジンギスカン鍋の食べ方がちがうらしい。北はタレつきの肉を焼くが、南は何もつけない肉を焼いて、それをタレに浸けて食べる。函館はもちろん「何もつけない肉。休日にバーベキューセットを庭に出して、“ベルのたれ”を浸けて食べるんですよ」「ベルのたれ? 商品名ですか?」「そうです。他にも○○(名前を失念)なんかも、ありますけどね」――運転手さんは、はっきりとは言わないけれど、松尾ジンギスカンの「タレつき、味つき肉」の流儀を好まないようだった。関東の物産展では、ジンギスカンといえば松尾が多いですよ、と言ったら、かなりびっくりしていた。
この運転手さんの、おすすめ飲食店をいくつか。ラーメンでは「来来軒。函館山の生協、向かいにあります」。あっさりして万人好み、「ここのオムライスもおいしいですよ」ラーメン屋なのに。五島軒のカレーは、と聞くと「缶でもレトルトでもなく、店の味を食べてみていただきたいですね。カレーを食べに店に行くのは、五島軒だけですね。……スパイスがちがうのかなぁ……あれは時々、食べたくなりますね」。運転手さんは洋食がお好きのようで「ホクヨウカン」という店も挙げていた。(字が不明)
函館土産で、おすすめの菓子。「スナッフルスの『チーズオムレット』ですかねえ」あとで試しに購入してみたら、ほんとにおいしかった! 「スナッフルス」とは、洋菓子屋の名前。自分が買ったのは駅前店で、ここはバラで1個から売ってくれます。駅の土産売場で売っているのは、8個・箱入りのみなので、時間に余裕があれば、店舗での購入をおすすめ。要冷蔵の菓子です。

湯の川温泉では、「湯の浜旅館」で日帰り入浴。大浴場と打たせ湯、檜風呂、露天がある。オフシーズンの昼日中とて、浴場の客は1人、2人の世界。14時から16時までの2時間、まったり湯に浸かって心身をほぐす。露天は目の前がすぐ津軽海峡。BGMは波の音とカモメの鳴き声、木造りの丸い湯桶に体はくたくたと「しやわせです……」。芯から温まって、お肌もつるぴか。ここのお湯は飲泉もできる。少々からいが、飲みやすい。
風呂上がりに「サッポロビール classic」を1本。あー最高。湯の川温泉の温泉水を100%使用という、保湿「おんせんじぇる」2000円也も、勢いで購入。重いテクスチャーと思いきや、水っぽく、軽くてさらさら、伸びもよくて肌なじみがいい。けっこういいかも。温泉街と、函館駅でも売ってます。でも札幌の新千歳空港にはなし。

16:30、湯の川温泉から市電で帰る。駅前デパート「棒二森屋」の地下1F・食品売場で、「ベルのたれ」を物色するが、瓶が大きく、食べきれないと判断して断念。生鮮の魚介コーナーでは、新鮮な魚がやっすい値段で売られている。巨大なほっけ、ヤリイカ、ヒラメも数種類。他にも知らない魚が何尾か置いてある。「噴火湾産」のラベルが、本州の人間には珍しい。
さすがにお腹が空いた。本格的夕食には早い17:30、北海道の地域バーガー店「ラッキーピエロ」に入る。「土方歳三ホタテバーガー」を注文。でかっ!

写真では分かりにくいけれど、モスやマックに比べ、確実に1.5倍はありそうな分量です。中のホタテ揚げも2個入り。バーガー店のホタテすらうまい。うますぎるよ函館。バーガー店「ラッキーピエロ」は、ちょっと不思議なノリだった。バーガーとカレーライスを同時に売っていて、中華系メニューも多いのに、店内は一昔前のアメリカン調。

ようやくホテルに戻り、一休み。20:00前後、近くの「居酒屋ココ」へ。例の運転手さんに教えてもらった店で、魚屋直営らしい。まあまあのお味 (だんだん、点がからくなってきました)。昨日の地ビールがおいしすぎた。この店も、地酒が置いてあれば、なおよかったです。

写真は、焼きホヤ貝。他は刺身盛り合わせ、子持ちシメサバ、タコわさびなど、いろいろ。寿司もあるけど、これはネタを楽しむ感じ。最後の〆で、ウニとネギトロを頼んだら、これがうまかった。お値段的にはとてもリーズナブルで、東京で同じものを食べようとしたら、2倍近くとられるんではないかしらん。なんだかんだ言って、やっぱりおいしかった夜でした。