俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

芝居強化月間・第3弾「Last 5 Years」その2

沖縄の香辛料「フィファ」

3連休!
「The Last 5 Years」昼公演を観に、両国へ。終演後、同行者と感想を言い合いながら、雰囲気のよろしい喫茶店「ウール倶楽部」にてお茶。アンティークの玩具や人形が飾られ、カップもさまざま取りそろい、飲み物も食べ物もおいしい店であった。

そうだ、喫茶の前に「回向院」に寄ったのだった。竹本義太夫や、鼠小僧の墓がある。その他海難、水難、関東大震災、戦争、犬猫、さまざまな供養塔があり、中にはスマトラ地震卒塔婆も。その統一性のなさが不思議だったが、後から調べてみたら、もともと江戸期の「振袖火事」の犠牲者を祀ったのが寺の最初で、その由緒から多くの無縁仏さんを供養してきたそう。合掌。

回向院でしんみりした後は、気をとりなおして喫茶、ついで銀座、新橋へ場所を移す。昔、友達から教えてもらった店「リトル沖縄」で、こころゆくまで飲み、食べ、話す。楽しかったなあ。写真は店にあった沖縄の香辛料、「フィファ」。スパイシーなシナモンのような香り。

CATプロデュース「The Last 5 Years」2回目

7/16 (土) 14:00、於・両国「シアターX(カイ)」。7/13(id:orenade:20050713)につづき、2度目の観劇。
この舞台は7/4にプレビュー公演、7/9〜21が東京・本公演となっている。初回の13日は、プレビューも含めると6日目、2度目の16日は9日目にあたる。
複数観劇の醍醐味は、役者の成長や演出の変化を、この目で確かめられることです。日によって当たり外れもありますけどね。これぞライブの面白さ。

Naoさんは、前よりよくなってました。個人的合格ラインはまだまだで、箒踊りも相変わらずヘコいけれど、前ほどジャマに感じなかった。あまり下手だと悪目立ちして、見たくなくても見てしまう、そういう「不自然さ」に対して目がいく、というのが少なくなった。
前半だめで、後半持ち直すのは、13日と同じ。ネガティブな感情を表出するのが、Naoさんは苦手なのかしら。
山本耕史君の評価は変わらず。非常に細かく演じてますね。「The Schmuel Song」の3つの声色は、13日よりはっきりしてた。特に時計。今回も同じシーンで、目に涙をためる。最後の荷物選別のシーンは、思い出の品から記憶をたどるさまが見えてよかった。

俳優が歌・ミュージカルをやるより、歌手がミュージカル・舞台を踏む方が、ハードルが高いのかもしれない。俳優は歌が多少下手でも、専門外で大目に見られるし、足りない分は演技でカバーすればいい。歌手は歌がうまくて当り前、さらに芝居心が要求される。あとは本人のセンス、もしくはオーラ次第。

カーテンコールは3回。これは13日もそうだった。コール2度目、山本君が「バンドの方々にも拍手を」という手振りをするが、バンドメンはもぬけの空、というのも同じ。
終演後、同行者は「ブロードウェイ版が観たいね」。たしかに。
初回はジェイミー視点で観たけれど、2度目はNaoさんが少しよくなったせいか、キャサリン視点からも眺められた。翔びきれない女、平凡なことに焦りを感じ、置いていかれる不安に身を灼かれる人間というのは、我が身に照らして痛いものがあります。対する男・ジェイミーは、山本君の造型が可愛くて憎めないせいか、「キャサリンがウザいんだから、しかたがないよ!」と思っちゃうけど、台詞だけ抜き出してみると、人の本心に気づかない、俺様路線の人間にも見える。演じる役者によって、まったくちがう男女になりそうなのが面白い。
たとえば、「自分の理想を妻に押しつける男」「夫の期待に応えられず、精神の均衡をくずす女」にも読める。冴えない男と美人であれば、「才能ひとつを頼みに、ミューズとなる女性を求める男」「才能に惹かれて、いっしょになることで自分も同じ土俵にのぼった気になった女」とか。