俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

芝居強化月間・第2弾「Last 5 Years」その1

両国の夕暮れ

平日、急な仕事が入らぬよう念じたおかげで、山本耕史×Naoの2人ミュージカル、「The Last 5 Years」を無事観劇。上演時間は1時間30分と、短め。山本君の身体能力と表現力は、さすがです。Naoちゃんはね〜、……。
写真は会場近く、両国の夕暮れ。

CATプロデュース「The Last 5 Years」1回目

7/13 (水) 19:00、於・両国「シアターX(カイ)」。上演時間は1時間30分。
出演者は山本耕史×Naoだけの、二人芝居ミュージカルです。出会いから別れまでの5年間を、女は別れから出会いにさかのぼり、男は出会いから別れへとたどっていく。二人の時間がクロスするのは結婚のときだけ、という愛のストーリー。演出は鈴木秀勝。

山本君は零歳児から子役だったプロフェッショナル、Naoさんは2003年デビューの歌手で、芝居・ミュージカルはこれが初舞台。
「L5Y」の見どころは、山本君につきます。身体能力の高さにびっくり。その動きを活かした表現力に感動。キレがあり、魅せ方を知っている。年齢=芸歴は伊達じゃないのね。最初の曲は歌いにくそうで、実際、歌詞が聴き取りづらかったけれど、そこはうまく歌い方と全身の表情で、なんとなく意味が伝わるよう補っていた。
ほんとに彼は表現力がすばらしい。彼が演じるジェイミーは、Naoさん演じるキャサリンじゃなくても惚れるよ、というくらい可愛くてカッコいい。山本君の演技には、うそがないのね。真情あふるる声と表情に、心がゆり動かされます。後半の独白は声も体も重く、目は赤くうるんでいる、今にも泣きそうな空気、と思っていたら本当に涙が頬をつたった。しかもいいとこで、ふた筋、み筋。泣いたからエライんじゃなくて、それが心からの涙なのがすごいのです。

Naoさんは、……正直、こんなにできないとは思ってなかった。歌はそこそこだけど、歌えりゃいい、ってもんじゃない。ちゃんと歌おう、ちゃんと表情つくらなきゃ、「ちゃんとちゃんと」にとらわれて、肝心の表現ができてない。もうね、必死なのね。笑顔が〜♪なんて歌のときでも、笑ってないもの、目が。
所作もつらい。箒のヘコい動きは、素人同然。歌手だし、しかたがないかと思ってたのだけど、あとでパンフを買って読んだらなんと、もともとはダンサーだったらしい。小さい頃からバレエをやってたらしい。それで、あの箒の踊りですか? 確かに手先の動きは優雅でしたが。
歌唱力よりも、演技力に重点をおいて観るため、どうしてもNaoさんのキャサリンに点が辛くなってしまう。まだ「演じる」ところまで、いってない気がします。演出を必死になぞっている感じ。いっぱいいっぱいで、観ていて痛々しいくらい。そんな相方を、かなり山本君がフォローしてます。
いろいろ厳しくあげつらったが、後半になると持ち直していたのを記しておく。初舞台なので、ある程度はしかたないでしょう。これから育つことを期待。

楽曲は、わりと好きな感じ。POP調で聴きやすい。ミュージカルというより、音楽劇に近い気がする。
Naoさんのキャサリンがイマイチだったせいか、山本君のジェイミー寄りの視点で観た。