俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

余談

10日の木曜日、ぽんと風邪をひいてしまったもので、今日は休養。……といいたいところだが、進行上、行っておいた方がいいだろうと趣味の講座へ。帰りに本屋へ立ち寄り、雑誌チェック。「ACTORS STYLE」表紙に山本耕史堺雅人田辺誠一オダギリジョー松尾スズキの名前を見てパラ見。山本耕史のインタビューを読んで、そのままレジに直行した。「1200円になります」高っ! 値段見ずに買ってたわ。店内をもう一巡して、阿部和重『無常の世界』『ニッポニアニッポン』の文庫本を追加購入。

音楽劇「コーカサスの白墨の輪」つけ足り

昨日観た「コーカサス」進行など。少々ネタバレあり。

今回の舞台は、最初から客席と舞台のしきりをなくしたものだった。開演前から何かあるらしいと聞き、早めの20〜25分前に到着。ホール案内・販売のスタッフの方々の衣裳が、舞台衣裳とおそろいなのにちょっと感動。
客席下の舞台では、役者が出てきて「パンフレットいかがですかぁ〜」と売っていた。開演前の舞台に役者がどんどん出てきて、ウォーミングアップしたり、談笑したり。毬谷友子さんはパンフ販売に協力、松たか子さんは端っこでストレッチしてる。体やわらけっ!
谷原章介さんも、パンフ売場の近くに直立。煩悩に負けて、パンフ買いに行っちゃいました。おお、1m圏内に突入! 美男です。TVで見るそのまんまが、すぐそこに。恥ずかしくてお顔が見られない……と、谷原さんは誰かに話しかけられたのか、急に「はっはっは」とのけぞって笑い、歩き去られていった。あ、あ、あ〜。「行っちゃいましたねー、残念〜」パンフ販売のお姉さんの、笑顔だけが残りました。

このように、役者陣が「はじめからそこにいる」状態での上演開始。役者も兼ねた楽隊が、楽器のチューンナップをはじめたのを合図に、役者たちの顔色がすっとかわり、芝居がはじまった。
15分間の休憩では、パンフに加えて、グルジアワインの販売も舞台上で行われた。一口チーズ2個付きで、使い捨てのコップ1杯300円。もちろん飲みましたよ。カシスのような味わいの、ひなたの香りのする赤ワインでした。
そのまま舞台を歩きまわる。意外とせまいな、客席がよく見えるな、などと思っていると「みなさん、席に戻らず、そのままで。お席に着いた方々も、よろしければこちらへ」とのアナウンス。なんだろう、どきどきしながら居残ると、串田さんがテーブルの上にかけあがり「諸君! 裁判をこれから始める!」いきなりの後半突入。(串田さんは、飲んだくれ裁判官の役)
オバQの白塗りをした谷原さんや、他の役者さんたちも、客の間からヌッと立ち上がり「裁判長!」とやっている。わたしたち客は、裁判の観衆というわけ、「参加してる!」という軽い興奮が場をうずまいて、とても楽しいひとときだった。ちなみに、裁判の終了とともに、観衆(観客)は席に戻りました。
舞台が終わり、役者たちの挨拶がすむと、今度は輪になってダンスがはじまった。役者たちが客席まであがってきて、客をダンスに誘う。谷原さんもあちこちの客に声をかけていました。わたしも、よっぽど自分から参加しようかと思ったけれど……できなかったよ。役者も客も、手をつないでくるくる回っている。宴が終わり、輪がちりぢりになった舞台のすみっこで、谷原さんがファンらしき女性たちに応えて、握手と笑顔を振りまいていた。なんてファンサービスのよろしい人なんだ……ケアばっちり。谷原さんばかり追っているようだけど、その通りですよ。いやー、彼はいいね!

帰宅後、谷原章介さんがゲストの「スタジオパークからこんにちは」録画を視聴。この人は素も面白い。
コーカサス」の舞台に話がおよび、「自分の声は美声というか、そういう風にとらえられがちな声なので、今回の役では素朴な感じを出そうと、いつもより声を高く、つくっている」という意味のことを話していた。なるほど! 確かに伊東甲子太郎の声とはちがっていたわ。かなり自覚的なのだね。
声というと、松尾スズキを思い出す。彼も似たようなことを言っていたのだ。
「僕の声はね、いわゆる美声なんですよ。気を抜くと、もう美声になってるわけ。簡単ですよ、そんな声を出すのは。“(声を低めて、シェイクスピア悲劇のように)お前はなにをやっているんだ!”なんて、すぐに出るもの。でもね、そんなん、つまんないでしょ、きれいなだけって」
とまあ、こんな感じのことを松尾ちゃんはしゃべっていたのだが、谷原さんにも、近い苦労はあるのかもな、と思った。