愛しきバッタもん

「魔の時間帯」というものがある。
就業中の夕方、眠気がおそってくる時間帯だ。個人差はあるが、15：30〜17：30あたりがヤバイ、という人が周囲に多い。わたしは16：30〜18：30頃にクルことが多いですね。
眠気ざましに、ちょっとバカ話をして気をまぎらわそうと、近くのデスクの人が「偽ブランド」の話を振ってきた。田舎のホームセンターやスーパーの2階で売ってそうな、いわゆるバッタもん服である。
会社の人が量販店で見かけたのが、レノマならぬ「P.S.ヘロマ」だったとのこと。P.S.ってなんだよ、と笑いあったところで、ある究極の一品を思い出した。

中高生の頃だったと思う。某人が着ていたポロシャツに、急に目が釘づけになったのだった。
緑の生地で、胸にはワニ。どこからみてもラコステだ。

その“ラコステ”のワニが、直立不動で、立っていた。

そのとき見たのは、ラコステの「立ちワニ」だけだけど、世の中には、ワニが仰向けにひっくり返った「オコシテ」というのもあるらしい。人間の想像力には限りないものである。