ふらんすへ行きたしと思えども

ふらんすはあまりに遠し　せめては新しき背広をきて　きままなる旅に出でてみん……とうたったのは萩原朔太郎。自分もフランスは雑誌やTVでしか知らない。せめて旅に出るかわりに、友達の話をきこうと品川で集まることになりました。

ちょっといいめの店で優雅なランチをとりながら、フランスへ行ってきた友達の土産話をきこうというもの。友達が持ってきてくれた写真は、パリの街角そのままを切り取ってきたようで、それだけで味があった。デパートのおもちゃ売場のディスプレイ、総菜屋で買ったパテとサンドイッチ、珍妙な日本語の看板、ルーブル美術館の地下にぽっかりあいた、中世のルーブル城塞遺構……。友達の説明がまた、要を得ている。話をききながら写真を眺めていると、ふしぎや、自分もいっしょにフランス探訪したような気分におそわれた。非常に楽しいひとときでありました。