俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

中国国宝展

勤労感謝の日。いい天気なのである。よって布団を干すと出かける時間が遅くなるのである。
本日は上野の国立博物館で「中国国宝展」。上野の森美術館で開催中の「大兵馬俑展」とあわせて観たかったのだけど、時間が足りず、閉幕が近い国宝展の方にした。
チラシによれば、「仏教美術」と「考古学の新発見」に焦点をあて、日本初公開のものを中心に厳選したとのことだが、かなり仏教美術に力を割いた展示に見受けられた。ガンダーラ風の石仏や画像磚*1、仏塔に文化の伝播を思う。後漢から北宋まで、2〜12世紀にまたがり、よく時代の変遷をうつしていた。
個人的によかったのは前半の考古学関係。青銅器の迫力、権力の象徴である玉斧、小さい細工を施された玉(ぎょく)、等身大の俑(よう)。 中国の大きく写実的な俑のあとに、日本の埴輪を見たら、あまりにも牧歌的で素朴で、笑っちゃいました。そして今回の白眉は、「金縷玉衣」。4体ある玉衣のなかでも特に玉が美しい最上級品で、見つかったのは1995年。日本初公開だそうだ。玉が金糸でつながれ、そのなめらかな輝きは2100年前のものとは思われず、まことに息をのむ美しさである。この金縷玉衣を見られただけで、入場料を払った甲斐がありました。

*1:画像磚(がぞうせん)=煉瓦に絵が描かれたもの