俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

新札きりかえ

11月1日より、千・五千・一万円札が新札に切り替わった。3券が変わるのは、20年ぶりだそうである。千年札は夏目漱石から野口英世へ、五千円札は新渡戸稲造から樋口一葉へ。一万円札は福沢諭吉のままだが、裏面が一部変更。新札は、まだ千・五千しか見てないが、お顔の具合や色目が……旧札の方が好みなのよねえ。
旧札は、千円札は青、五千円札は茶色と見た目も分かりやすく、お顔もしっかり。夏目さん、好きだったなあ。新札は、どうも妙にカラフルで……。お顔の描線もうすぼんやりしていて、しまりがない。色彩と描線のゆるさは、偽造防止に一役買っているのかしらん。
そう、今回の切替えは、とにかく偽造防止が最優先とのこと。ひげの男性の方が陰影をつけやすい=偽造されにくいそうだが、若くてしわもない女性の樋口一葉には、かなり苦労したようだ(「読売新聞」2004年10月27日付、「新札アラカルト(2) 珍しい女性肖像」)。幅1ミリに10本の線が描ける、って、国立印刷局の工芸官は、技術も職名もすごいなー。「お札の製造過程 (印刷工程)」@国立印刷局を見ると、お札の原板は、ぜーんぶアナログ製作なのが分かります。

お札をデザインする「工芸官」で検索かけたら、面白いURLがヒットした。
郵便切手のすべて【前編】2」(「webマガジン『マカロニ・アンモナイト』2003年11月掲載)。切手ができるまでを追った連載だが、切手デザイナーはたった5人(web掲載時点)で、ほぼ全てのデザインを手がけていたとのこと。ディック・ブルーナの「ふみの日切手」製作過程や、シリーズ切手は必ず外部に諮問機関ができるなど(「水辺の鳥シリーズ」では、日本野鳥の会にもオファーが来たとか)、読んでておもろい。
この切手デザイナーさんたち、郵便公社以前は、特別に「技芸官」と呼ばれていたそうだ。他にこんな特殊名称が与えられていたのは、宮内庁帝室技芸員と、(お札、硬貨をデザインする)国立印刷局の工芸官だけなんですって。世の中、知らないことはたくさんあるね。

新・千年札の野口英世には、カメラ目線で舌を出してもらったらどうだろう。アインシュタイン博士だね。