俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

直撃! ビッグタイフーン

日生劇場前、道路が洪水です

夜のうちに台風よ過ぎてくれと願っていたが、起きてTVをつけると「台風22号 東海から関東へ上陸か」。これから〜!? 大河の再放送も台風で飛ばされてるし。「夕方から夜にかけて、いっそうの警戒が必要……」まさにその時間帯、糸は芝居を観に行かなくてはならんのだ。主催の松竹に問い合わせたら「通常通り開演します」と言われてしまった。ひー。

出かける前に、ネットで天気と関西情報をチェック。と、普段は表示されないバッテリレベルが出てきて、PCの電源アダプタが壊れているのに気がついた。差し込み口の外身がはずれ、内部の配線コードが切れている。すぐさま銀座アップルストアに電話。「修理するより新規購入の方が安いですよ」と言われ、値段を聞くと「9975円になります」。高っ!!! しかしDoしようもない。まだ買って3年にも満たないのに〜。銀座アップルストアと、劇場のある日比谷は近いので、地下鉄通路をつたって往来することにする。

劇団☆新感線・松竹「髑髏城の七人」=アオドクロ/主演:市川染五郎

16:10前後、雨足が弱いうちに家を出た。出発時は大した降りではなかったのに、銀座に着いたら昨夜のようなナイアガラの滝。地下鉄構内で「……ただいま風速20mを計測しました。○○線、△△線は運転見合わせ、運休……」と放送されていたのが思い出される。気合いを入れて地上に出、横断歩道を一気に渡る。雨がつ、冷たい!
店内で再度、電源アダプタの話を聞くが、やはり新規購入が安くて安全とのこと。納得して購入したが、手痛い出費ではあった。
さて、次は日比谷の日生劇場である。地下鉄通路を、日比谷駅の最寄り出口まで歩きに歩く。地上に出たら風雨になぐられ、5秒で傘の骨が曲がった。写真は、劇場前の道路。車が泳いでます。ガードレールが水に埋まり、歩道も浅瀬に。

10/9(土)18:30開演、於・日生劇場。20分の休憩をはさみ、終演は22:20。
台風の影響で7分ほど押し。思ったより、来場者が多くてびっくり。しかしよく見ると、ぽつぽつ空いている。糸の友達も、電車の運転見合わせで「とまったまま動かない」との悲しいメールが……結局、友達の来場は叶わず。

6月5日のアカドクロとの違いは、キャストの若さに“歌と踊り”。派手な演出は、97年版再演の後継である。しかし脚本は97年版、アカのどちらとも変えてあるから、新しい気持ちで観られます。
開幕して4日目と日が浅いせいか、正直、キャストが役に追いついていない印象を受けた。悪くはないんですよ。97年版とアカドクロを観たあとだから、つい比べちゃうんだよねー。役者さんたちも、前作を乗り越えようと模索中だったりして。

玉ころがしの捨之介@染ちんは、ちょっと「阿修羅」入ってます。無差別女好きにはなれないのだから、もっと“この世のすべてのしがらみを 三途の川に捨之介”になった方がいい気がする。捨之介Ver.よりも、酷薄な天魔王Ver.の方が凄絶で似合ってます。
蘭兵衛@池内博之さんは、ドレッドヘアーのヅラをどうにかすべし。見た瞬間「人間の証明 人間の証明 人間の証明 人間の証明 人間の証明……(プ)」って、舞台に集中できないよ! 登場のたびに「人間の証明」が頭の上でぐーるぐる。困った。
あと、最後まで「男」にしか見えなかったのが残念。個人的に、蘭兵衛には性別を超えた「妖しさ」がほしいんです!*1でも、よく演じていたなあ、とそこは好印象でございます。
関八州荒武者隊、イケメンの中に老けメンが……*2。抜かずの兵庫@橋本じゅんの後を襲った、こぶしの忠馬@佐藤アツヒロくんが、かわええ! じゅんさんのバカ一直線とはちがい、脆いくせにつっぱってる感じが庇護欲をそそります。若いねえ。

冒頭の本能寺・映像シーンは、個人的に不要。花の演出、くどい。不要。意味もたせすぎて、野暮になってます。贋鉄斎@逆木さんがさっさとハケて、カンテツ@三宅弘城にあとを譲ったのは、やはり体力的な問題でしょうか。三宅さん、おもろいよ。
沙霧@鈴木杏は、すごいね! 安心して観てられます。すんばらしー。
極楽大夫@高田聖子は、97年版と同じキャスト。くっきりとした存在感で、アカの坂井真紀に圧勝だわ。全体的に、まだまだ進化中の舞台と思われるので、終演間近にもう一度見比べたいものです。チケット持ってないよー(涙)。

追加1:関東髑髏党の下っぱ衣裳が、「サムライガン」ぽかった。

追加2:カーテンコールの後、染ちんが代表して「今日はこの嵐の中、よくぞ覚悟を決めて来てくださいました」と挨拶してくれた。続いて「帰りの交通情報ですが……○○線、運転見合わせ。△△線、どこそこ区間運転見合わせ…」と、交通状況を読みあげた。劇場外に出たら、雨はからりとあがって、道路の水も引いていたのが不思議だったなあ。台風一過、とはこのことである。

*1:つくづく、粟根まことさんの蘭兵衛はすごい。髑髏の杯を思わずうけて無理やり飲まされ、もの狂うシーンにはぞくぞくします。

*2:失礼! 老けメン、かこええよー。粟根さんの算盤に愛を感じました。