俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

初・オールナイト

とうとう来てしまった……「新選組オールナイト」。
池袋、新文芸坐のオールナイト企画である。時間割は以下の通り。

 22:30〜  「栗塚旭トークショー」 聴き手・黒須洋子(ライター)
 23:15〜0:45「燃えよ剣」1966年 出演:栗塚旭
 0:55〜2:25 「沖田総司」1974年 出演:草刈正雄真野響子高橋幸治
 2:35〜4:50 「壬生義士伝」2002年 出演:中井貴一佐藤浩市

最初のトークショーでお迎えした栗塚旭さんは、「燃えよ剣」をはじめとする土方歳三役で有名な俳優さんです。 栗塚さんの土方は、シバリョーにも好評で、TV・映画・舞台で都合7回、土方を演じたとのこと。トークは30分ほどでしたが、洒脱な人柄に軽妙な話しぶり、笑顔の素敵な方でした。お肌の照りつやもよく、今年で67歳だとは思えません。興味深く充実した内容のトークで、これだけでも来た価値ありですよ。
現在の大河に触れたところだけ、ちょっとご紹介。

「僕が初めて土方をやったのは、彼の実年齢とほぼ同じ28歳の頃でした。今の大河も、香取さんと山本さんは27歳で、なんだ一緒じゃないかと。がんばりなさいとエールを送りました」*1
「ラブシーンは苦手で……。そうした色気や流し目なんかは、今の山本さんの方がいいんじゃないかな」
「僕が演じたのは、司馬先生が書かれた『燃えよ剣』の土方歳三。今の大河は、三谷さんが書かれた新選組で、山本さんがやっているのは、三谷さんの土方歳三です。いろんな土方がいて然るべきだと思いますね」

とりあたまの記憶にすがって書いているので、その辺ご容赦ください。
「5月9日に生まれたから、九に日と書いて『旭』なんです」とも。“栗塚旭”って、もしかして本名なんでしょうか。とすると、モダンなお名前ですね。

続いて、映画感想。
燃えよ剣」(映画版。別にTV版もある) は、栗塚さんの土方もさることながら、近藤勇がかなり魅力的だった。演じているのは和崎俊也さんという方だが、鷹揚で器が大きい感じが、よく出てる。このひとになら「ついていきます!」と思える。

沖田総司」は、草刈正雄が主演。リアルを追求した演出で、障子がすべて破れた試衛館道場の貧乏っぷりや、上京当時のむさい破れ衣裳は、ちょっと今までにない感じ。血のりもふんだんに使われ、古高俊太郎の拷問シーンもきっちり見せる。その手のシーンは苦手なので、そこはちょっとつらかった。
人を斬るごとに、深紅の赤いバラ(大輪)が画面に舞うシーンは強烈。ひょえー。葛藤する人間・沖田を造型した映画でした。

沖田総司」がやや暗めだったので、次はいいお話を。浅田次郎原作「壬生義士伝」で〆です。沖田総司堺雅人さん (大河では山南敬助)、斎藤一佐藤浩市さん (大河では芹沢鴨)。
堺さんのアルカイックな笑顔は、大河でも壬生義士伝でも同じだった。池田屋の喀血シーンで笑顔(下から懐中電灯でライトあてたよう)なんて、堺さんすごすぎ! その笑顔は、あなただけにしかできないよ…。佐藤さんの斎藤一も、芹沢鴨につながる「ダークはじめ」。大河での使われ方に、改めて納得。

1、2回目の休憩に行われた、栗塚旭さんの色紙サイン会が長蛇の列で、当初の予定より遅い5:15に上映終了。外は明るかったが、寒ぅ。「新選組!」展と似たような年齢層だった。席もほぼ埋まっていたし、ここでも新選組人気を実感。

*1:近藤や土方は、もっと年上で重鎮の役者が演じることが多かった