俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

GW突入

東京国立博物館のステンドグラス

暑いくらいに晴れ。上野と下北沢へ行ってきた。上野は鑑賞、下北沢は観劇である。

で、上野だ。目的は東京国立博物館の「弘法大師入唐1200年記念 空海と高野山」展。
展示日程も半ばをすぎ、少しは人が減ったかと思えば、混んでいた。GW効果か、もともと人気なのか。
仏事のみならず、政治的な存在としての寺も垣間見せた、いい構成だった。後醍醐天皇の手印(両手を朱肉につけ、ぺたりと書状に印してある)もあったよ。朱につぶれて、手相まではわからなかったのが残念。昔のひとにしては、割と大きめの御手形でした。
そして仏像の一画! ずらーっと並んだ運慶、快慶はすごいの一言。
他にも、浅井長政夫人像(お市の方)や、源頼朝北条政子の直筆状があったり。高野山、物持ちがよい。そしてお金持ちだぁ。

空海の直筆もあった。字をみると、そのひとの個性が伝わってくるような気がされる。墨をたっぷり含ませた大きな字面、少々気取った感じの筆遣い。あけっぴろげな自信家、という印象を受けた。
個人的に好きなのは「阿弖河庄上村百姓等言上状*1。百姓たちが地頭の横暴を訴えた嘆願状で、たどたどしいカタカナで一生懸命つづられている。小学生のような文字である。墨は薄くないのに、かすれが多いのは、筆がちびているのか、墨をけちっているのか。嘆願状のなかに、自分らをさした「百姓」という語が見える。こんな時代から使われていたんだね。
この展覧会の会期は、5月16日(日)まで。

17時をまわり、上野から下北沢へ移動を開始。松尾スズキさんの芝居、「ドライブイン カリフォルニア」を観る。よかった。長くなったので、感想は明日。

写真は、上野の国立博物館・本館のステンドグラス。

*1:リンクは「和歌山県立博物館」webサイトより。
言上状の全文を知りたい方は、「Kei's Cafe」さん発行のメールマガジン、「日本史なんて怖くない」No.287(2003/01/31発行号)にありましたよ。