俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

文化の日

クラーナハ展@上野・国立西洋美術館

久しぶりの晴天で、ようやく布団を干しました。怪我した手首をかばいながらでも、布団を干せるまで手指に力を入れられるようになったのが嬉しいぞ。
のんびりしてから、上野の国立西洋美術館でやっているクラーナハ展を観に行ってきました。いま上野では、ほかにも上野の森美術館デトロイト美術館展、東京都美術館ゴッホゴーギャン展をやっています。どれを観るか迷ったのですが、一番落ち着いて観られそうなクラーナハ展にしました。
「クラーナハ展」日本初の大回顧展が東京&大阪で - 時空を超えたエロティシズム - ファッションプレス
クラーナハ展―500年後の誘惑|TBSテレビ
一見地味ですけど、面白かったですよ〜。
ルカス・クラーナハという、北方ルネサンスを彩ったドイツ人画家の大回顧展です。クラーナハの、これだけまとまった回顧展は日本初、世界でも初めてらしいですよ。
ザクセン選帝侯の宮廷画家で、宗教改革マルティン・ルターとも親しい間柄だったそう。ルターの肖像画は、クラーナハが描いたのが基本になっているのだとか。ルター! 懐かしい。世界史の授業を思い出すわ〜。
クラーナハが仕えたザクセン選帝侯は、宗教改革者ルターの庇護者であり、クラーナハ自身もルターと親しかったのだけれども、困ったことに、宗教改革の影響で、宗教画の注文がめっきり減ってしまったそうなんですよ。注文が減った穴埋めに、クラーナハは新しい分野を切り拓きます。それは……、
裸体画です!
いや〜、エロはいつの時代も有効なのですね。アルプス以北の欧州に裸体画を持ち込み、発展させたそうですよ。裸体画に限らず、構図も斬新だったそうです。
また、大きな工房を構えて大量生産システムを作るなど、なかなかのやり手でした。市長にもなったり、なかなか世俗的な人ですな。
宗教画も減ったとはいえ、描かなかったわけではなく、親友のルターの思想を絵画で現すなどして、宗教改革に一役買ったらしいです。へええ。

大回顧展だけあって、見応えのある展覧会でした。
肖像画が面白かったな〜。プロテスタントと敵対関係にあった、神聖ローマ帝国の皇帝・カール5世のすごい顎!
クラーナハ展Twitterより:カール5世の肖像画
裸体画だけではなく、女性が主題の絵画は妙にエロティックで、これまたよかったです。アンバランスな肢体や、生首を持ちながら澄まし顔で微笑しているのとか、妙にあとを引く絵なんですよね。

上野に着いたのが遅かったので、常設展も観てから外に出ると、もう真っ暗。ちょうど上野公園で「創エネ ひかりパーク2016」の開催中で、西洋美術館も特別ライトアップ中でした。公園の噴水も色とりどりのライトアップできれいでしたよ〜。東京博物館も、特別プロジェクションで仏像が映し出されていました。