素晴らしき休日
「休日万歳」しか書いてない気がするここ数日の日記。土曜は定例趣味の講座にて、文字通りの休日は日曜しかないのよーん。
紅葉狩りに行きたいなあ、日光ニッコーと思っていたが、無理はしないことにしました。家事を片づけたあと、好きな本、漫画を読み、昼寝をする。昼寝! すばらしい。うたたねを楽しんでから、よっこらせいと近場の図書館へ行き、仕事の資料をコピー。その後はスーパーで買い出し、夕飯、録画消化。
それだけだと何なので、最近読んだ本。
- 作者: 高田衛
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/11
- メディア: 文庫
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タイトルから軽い読みものかと買ったものの、さすがに学術文庫。真面目な内容でしたね。いわゆる拝み屋のエピソード羅列かと思いきや、累ヶ淵の実話に関わった「祐天上人」一人にスポットを当てた本でした。みなさん、祐天上人をご存知ですか。「祐天寺」の名のもとになった方ですよ! 私は寡聞にして知りませんでした。反省。
累ヶ淵といえば、鶴屋南北か円朝か、だが、実話はなかなか重いですね。いかに日本が貧しかったか、女性が生きづらかったか (女三界に家なし……と言って、いま分かる人がどれだけいるか。“変成男子”の意味をご存知ですか?)、いろいろ考えさせられた。祐天さんは浄土宗の僧侶で、あの桂昌院も信仰が深かった市井の僧。浄土宗の坊さんが、密僧ならずして多くの霊祓いを顕した――だけでも異端なのに、桂昌院のみならず大奥の信篤く、伝通院、さらには増上寺の大僧正(伝通院は徳川家の女子菩提寺、増上寺は同じく徳川家菩提寺。当時の格が分かろうというもの)にのぼりつめた人物です。彼自身の出家エピソードにも、口減らし(貧困)やLD児童の面影があり、それゆえ、宗派逸脱ともいえる女人救済(迫害カテゴリー)に身をついやしたのではないかという試論には説得力があります。
それにしても、ザシキワラシが間引きの子という、さらっとした叙述には肝を抜かれた。7歳になる前は人間ではない、神さまの子として「子返し」の風習(間引き)があったことは知っていたが、座敷童子もそれでしたか。昔、間引きの本(民俗学ね)を借りたことはあったけれど、思った以上に己の拒否反応が強くて、ほとんど読まずに返したからさー、よく知らんのよね。子返しとして間引いたわりに、「将来、実家がわかるよう」家の門とか、土間に子供を埋めたんだって。それってどんなホラー。このへんの感覚は、南の人にはわからない気がする。やっぱし、東西でちがいますよ。東には東、西には西のホラーがありますからね。あ、レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』を読みたくなってきた。まだ未読なのです。