俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

もとは中国の話です

シス・カンパニー公演「怪談 牡丹灯籠」

【脚本】大西信行
【演出】いのうえひでのり
【出演】段田安則/伊藤 蘭/秋山菜津子千葉哲也/柴本 幸/瑛太
    梅沢昌代/大河内浩/松澤一之/市川しんぺー西尾まり/保坂エマ/粕谷吉洋/森本健介

8/9(日)13:30開演、於・渋谷Bunkamura シアターコクーン。上演時間は約2時間20分 (休憩15分を含む)。
瑛太の初舞台だー!」と、けっこう楽しみにしてましたが……うーん。よくできた舞台だけど、それだけ、って感じ。脚本もなかなか深く、芸達者が脇をきっちりとしめているし、演出もそつがない。その「そつのなさ」が、どうもね。いのうえ演出を見慣れすぎたせいか、「今回はこう来たか!」というような驚きがない。牡丹灯籠が宙づりで飛びまくるのは、「いのうえさんらしいな〜」と微笑ましかったのですが。
三遊亭円朝の怪談落語を、脚本の大西信行が、杉村春子大先生のために書き下ろした作品です。牡丹灯籠の若者たちよりも、人生中歳の供蔵・お峰夫婦のほうにぐっと力が入った展開。牡丹灯籠の恋物語である新三郎(瑛太)とお露(柴本幸)は、ぶっちゃけ前座。前半1時間まるまるかけた、壮大な前フリですよ。瑛太が前フリて! でも正直、瑛太は映像で見るのが一番かもしれないわ。顔ちっちゃかったです。柴本幸はTVで見るより綺麗でしたね。今までは「“なぜか”ヒロイン役をやる人」という認識だったけれど、それなりにできる子かも。いのうえ演出のかわいいヒロインは、くっさい演技になりがちなので、判断保留にしときます。だいたい、舞台をまだ1回しか観てないですしね。

さて、杉村春子大先生のために書かれた作品だけあって、本来の主役は供蔵・お峰夫婦、わけても「お峰」と思われるが、今回演じるのは伊藤蘭。思ったよりよかったんですが、やはり、供蔵役の段田安則が主役に見えます。宮野辺源次郎の千葉哲也と、お国の秋山菜津子は安定した出来。秋山さん、最近こういう役ばかりの気がしますが大丈夫か。
とまあ、いろいろ書いても、役者陣のハズレは特になし。それより、演出の既視感のほうが気になった。あと、濡れ場のシーンはがんばらなくていいから。ねっとりしてるのとエロスはちがうんだよ。人には向き不向きがあるんです、いのうえさんは濡れ場はやらなくてよろしい。あと、自分が観たのは公演4日目と早い段階だったので、これからどんどん、役者や演出がこなれていくと思います。8月末はどうなっているかな。