俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

夜桜

千鳥が淵の夜桜。

きりよく仕事が終わったので、千鳥が淵の夜桜を見に行った。長蛇の列で、「最後尾」というプラカードが立っている。平日なのにマジでか! 回れ右して、スタバで本読みヒマつぶし。ほどよい頃に行くと、人出はあっても行列はなし。よっしゃ!

お堀に映る桜の影が幻想的。超笑顔の外国の方々が、楽しそうに写真を撮ってました。きれいだよね。

さくら待ちの間に読んでいた本は、五島雄一郎著『死因を辿る―大作曲家の精神病理のカルテ』。クラシック好きのお医者さんが書いた本です。作曲家たちのエピソード・生涯を、病歴を軸にコンパクトにまとめたもの。三読くらいしているはずだが、けっこう忘れてるエピソードが多い。たとえば、ハイドンの「告別」ハイドンが楽長として宮仕えしたエステルハージ侯は、夏は離宮に避暑に出かけた。その間、楽隊員は妻子を残し、エステルハージ侯に従って単身赴任となる。楽隊員は若い者が多かった。ある年、侯は滞在を数週間延長するとした。楽隊員は、ハイドンに早く帰りたいと訴える。
そこでハイドンは新作の交響曲を書き下ろし、楽隊員に弾き方を伝授した。各楽器のパートが終わったら、譜面台の蝋燭を吹き消し、楽器を抱えて去るのである。次々に吹き消される蝋燭、いなくなる人。エステルハージ侯は直ちにその意味を了解し、翌日には離宮出発の命が下されたのであった。……って、いい話だなー。「パパ・ハイドン」のあだ名は伊達じゃない。帰るために、さらりと交響曲を作っちゃうハイドンもすごいけど、主人のエステルハージ侯も粋ですね。