熊楠の世界
この3連休、雨でも晴れでも寒いよっ!
寒いし、外に出るの億劫だなあとノタノタしていたが、今日も15時すぎに外出。ワタリウム美術館で、南方熊楠展です。写真は、熊楠自筆のきのこ図譜・ポストカードを接写。
熊楠って、夏目漱石、正岡子規、秋山真之、山田美妙たちと、大学予備門(のちの一高)で同級生だったのね! なんと華麗なメンバー。
念のため書き添えると、秋山真之は日露戦争でバルチック艦隊を破った、日本海軍の参謀。山田美妙は、二葉亭四迷とならんで言文一致体を練り上げた作家です。「ですます」体の祖型は、この人だとか。四迷が「だ」体、美妙が「ですます」体、尾崎紅葉が「である」体、らしいよ。国語の授業みたいな〆になっちまいました。
ワタリウム美術館「クマグスの森―南方熊楠の見た夢―」
青山・外苑前のワタリウム美術館は初めて。熊楠は、前に科博で観た展示(id:orenade:20061111#p1)がよかったので、もっと知りたいと来てみた。
今回の展示構成は以下の通り。
第一章「世界を放浪する」…幼年期の博物学への萌芽、青年期の世界放浪
第二章「熊楠の内的宇宙」…夢、身体、民俗学周辺、熊楠の光と影
第三章「森の命」……………収集標本、自筆きのこ図譜400点の展示
熊楠の内面にも触れた、非常によくまとまった展示で、初心者の自分には見ごたえあり。自筆きのこ図譜がお目当てだったのだが、他の展示も面白く、熊楠の人となりを知る、いい機会となった。
幼いころから絵心があった。自筆の図譜も、色づかいや線がきれいで見飽きないんだよね。日記でも手紙でも、びっちり文章を書く人だ。文字だけでは足りないと、絵をつけて解説しちゃう。図説だね。論文草稿メモの書き方が、いかにも熊楠らしくて笑った。順不同のてんでんばらばらに(でも隙間なくびっちり)アイデアが散乱しているの。きっと思いついた順に、空いてるところからテキトーに書きつけたんだと思う。でも、本人にはその順番や意味がはっきりしているんでしょうね。とにかく、凡人にははかりしれない巨人です。
- 作者: 松居竜五,ワタリウム美術館
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 単行本
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