俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

谷原章介トークショー

八嶋智人さんへ谷原章介より

写真は、芝居「エドモンド」の会場ロビーで写したスタンド花。大河つながりですな。
さて、今日は夏季休暇を1日取得し、横浜へ。フジ「シティリビング」横浜版の無料イベントに行ってきた。
750組1500人の、OL限定招待。今年は横浜シティ10周年のため、例年より豪華な内容らしい。スケジュールは以下の通り。

「シティスペシャル サマーナイト2005 in YOKOHAMA」
 http://www.citywave.com/yokohama/sn2005/
 主催:シティリビング横浜版
 会場:横浜ロイヤルパークホテル
 時間:17:30〜21:00
    【メインステージ】
     19:05 「N.U.」生ライブ(3曲披露)
     19:25 「パペットマペット」お笑いライブ
     19:55 谷原章介トークショー
     20:35 お楽しみ抽選会

【メインステージ】までの時間は、協賛企業のブース回り。新商品を食べたり飲んだり、試供品をもらったりするのだ。しかし、1500人ものOLが一堂につどう、てのは壮観ですね。「わらわら」という感じ。集団化するのは、何でもこわいですな。
無料イベントなだけに、開場の仕切りは甘く、素人くさい。会場の片隅でひっそりと、メインステージ席とり整理券を配っていたが、気がつかない人も多かったようだ。自分は運よく、整理券を手にすることができたが、それには18:40までに集合とある。指定の場所へ赴いたところ、整理券の番号順もへったくれもない、ごちゃっとした列ができていた。近くにいた会場係の男性に、整理券について確認したら「整理券は200枚配布した。整理番号は、ただ打ってあるだけで意味はない。列は番号順に並ばなくてもよい」と、堂々と言われる。番号は、ただ売ってあるだけ!? 釈然としないまま、列の後方に並ぶ。ようやく入口まで来たと思ったら、「180番までの方、お入りくださ〜い」と、係のお姉さんが、かぼそい声で促していた。やっぱり番号順なんじゃん! でも無料だから、仕切りの悪さもしかたがないか……。
どうも「200」という数は、ステージ前に設置された観客席数のもよう。大多数は整理券にあぶれて、立ち見だった。
さて、今回のお目当ては「谷原章介トークショー」。なかなか楽しませていただきました。しかしその前にまず、横浜のギターデュオ「N.U.」。小型「ゆず」との印象。
次はお笑い芸人「パペットマペット」。ファンの方がけっこう、いらしっていた。「写真撮影はご遠慮ください」との立看板むなしく、あちこちから携帯のシャッター音、そしてデジカメをを構える人たちが。谷原さんのときも、やはり撮る人は撮っていた。これは、ここだけの問題ではなくて、よくある光景なんだと思う。撮影OK/NGの境界線、マナーは、やっぱり守りたいものです。いっそのこと、最初の5分は撮影タイム、としちゃえばいいのに。その間、気がすむまで撮りまくり、あとは演し物に集中するの。そしたら、自分もカメラ用意しちゃうよ。だめ?

谷原章介トークショー

涼やかに谷原さんが現れたときの、歓声のものすごいこと! きゃー、じゃなくてぎゃー。「どよめく」という字は「響動めく」と書くのですよ@広辞苑
谷原さんのサービス精神と気配りに感動。司会の女性の受け答え・引き出し方も、当を得ていて好感を持てた。谷原さんが、にっこり笑顔で、お手振りしながら舞台上を一周したのち、止まり木タイプの椅子に座ろうとしたら、わずかに会場から溜息が。それを聡く察知した谷原さん、

谷原「後ろの方は(大勢、椅子に座れず)立ってらっしゃるんですよね。僕が座ると見えなくなるかもしれませんから、立ったままお話、しましょうか」
司会「ええっ!? よろしいんですか?」
谷原「はい~、もちろん。かまいませんよ (ニコッ、歯がキラッ)」

ほんとに、立ったまま始まった。谷原さんが「立ったまま~~かまいませんよ」と言った瞬間、またもや会場内に溜息の「どよめき」が。いいひとだ。最初は細身のスーツ姿に、ハチクロの真山メガネでしたが、トークが始まったら外してました。

トークの第一弾は、モデル業から役者業への転身について。以下、すべて要約。「もともとファッション業界に進みたく、その一環でモデルに。そのうち、いろいろ考えるところあって、役者業に進みました」
思い出深い仕事。「映画『デボラがライバル』。役になりきれ!と言われ (と、言っていたように思う)、オカマ役だったので、毎日マニキュアを塗っていました。……単純に、気持ちわるいですよね (観客席を向き、さわやかな笑顔で)。コンビニの袋が、マニキュアの爪に引っかかるんですよ~。女の人は大変ですよね~」

転機となった仕事・役柄。「すべてが転機だと思っています」と優等生的回答。しかしその後、そっけないと思ったのか、
「最近の仕事では、そうですね……『恋に落ちたら』第5話でしょうか。普通、出番が多くても、その回の根幹となる重要なセリフを言うのは、たいてい主役の方なんですね。それを、物語の最後に、“私は、鈴木は間違っていないと思います”と、自分が言わせていただいた。重要なセリフを任せられ、人間性を表現できる役でした。それは嬉しかったですね」
まさか「恋おち」がくるとは! 友達が「このイベントはフジ系列だし、多少の配慮があったのでは」と、鋭い分析をしてくれました。確かに。

バラエティを始めた理由。最初は、役者なんだから芝居だけで勝負したい、と思っていたが、考え方が変わった。キザな2枚目で最後にフラれる、そんな役以外の自分を見てもらい、芸幅を広げるにはどうしたらいいか。
「バラエティは、それにちょうどいいかと思って。役者としての成長のためです。深夜番組『ニューデザインパラダイス』は、自分の好きなファッション、デザインの分野で、それもよかった。一人芝居の側面があり、セリフも多い。おかげさまで、セリフの入りがよくなりました。……うん、バラエティは、いろいろなことができるのが、いいですね」
セリフはどれくらいで覚えるんですか、という司会の質問に「脚本の内容にもよりますが……」と前置きをして、20秒で5分、もしくは20分、と答えていた気がする。うろ覚えですみません。「ただ、セリフの入るのが早くはなったけれど、忘れるのも早いですね。言ったそばから出していって、出した分、その次のを入れてます」とのこと。

後半は、質問コーナー。その前に、司会の方が「かなり時間も経ちましたし、そろそろ座られてもよろしいのでは……」と促し、会場にも「いいですよね?」とお伺いを立てた。もちろん、会場の空気はYES。谷原さんも、「いいんですか?(と、会場を見渡して)それじゃあ……」と、ここでようやく、止まり木に腰かける。
覚えている質問内容をいくつか。

1)奢ってほしがる女性、割り勘したがる女性、どちらがいいか
「その女性に合わせます。奢られたい人、割り勘がいい人、半々くらいだと思うんですよ。僕はどちらでもいいので、その女性の好み通りにしたいですね。
ただ、“払う気もないのに、払うフリをする”女性はきらいです。レジ前で、かたちばかり財布は出すけれど本心は……、というのはダメですね」
会場に逆質問で、ゴチ・割り勘の、どちらがいいか挙手してもらう。結果は半々。「あ~、やっぱり半々なんですね~」と、一人うなずく谷原さん。

2) 横浜で、おすすめのデートコースは?
ハマっ子の谷原さん、じっくり回答。
「ドライブもいいですけれど、横浜をよく見てもらいたいから、最初は徒歩でいかがでしょうか。まずは“みなとみらい”周辺でお店など回り、疲れたらホテルでお茶など。海もいいですよね、桟橋から倉庫、山下公園を海沿いにぶらぶら歩いて、本牧まで出て (この辺で「遠い」「歩けない」と会場がさざめくが、谷原さん意に介せず)、最後は桜木町あたりに戻ってきましょうか。
ディナーはどうしましょう、中華街でもいいし、元町ならアメリカっぽい店に行ってもいいですね。元町は港湾の匂いもするから、……って、もともと港でしたね (照れ笑い)。お魚の店でもいいですね~。どこでも、女性のご趣味に合わせます。伊勢佐木町付近の (もっと具体的な地名を言っていたが、土地者でない自分には覚えられなかった)、飲み屋街もいいですよ」
ここで、司会の方が「つい世間話のように伺ってしまいましたが、今の“おすすめデートコース”は、質問者がいらっしゃったんですよ。お名前は……」と読み上げると、「そうでしたか。で、2度目のデートコースなら」と、なぜか話を続ける谷原さん。面白い!
「えっ、2度目ですか?」と驚く司会をしり目に、「はい、やっぱり次はドライブですね。ちょっと遠出しましょう。箱根に行くのはどうですか? 箱根に行って、僕おすすめの蕎麦屋で蕎麦を食べて……。蕎麦が苦手なら、他のお店でも。合わせます。山梨の、ほうとう鍋の方がよければ、僕おすすめのほうとう鍋の店があります。そこで鍋を食べて……、どうも食べ物の話ばかりで。結局、食べ物があればいいんですね (恥ずかしそうに)」 いやー、一気に親近感わいた。妄想がひろがるタイプ?

3) 「ニューデザインパラダイス」のギャグは、谷原さんが考えているのですか?
「いいえ。台本がありますから、それを全部覚えます (きっぱり)。ただ、分かりやすくするために、多少アレンジしたり、味付けしたりはします。そういう点では、僕アイデアというのもあるかもしれませんね」
おまけで、“国際弁護士”のキャラを見せてくれた。

4) これからやりたい役。
「なんでも。なんでもやりたいです」と、模範的解答。でも、今のドラマでコミカルな役をやっているので、「自分はデキないのに、デキるふりをしてわーわーする役も、面白いかもしれませんね。もうデキない、無理! というときに、なぜかうまいこといってボロを出さずにすみ、女性にも自分がデキないことがバレずにすむ、というような……。毎回、そういうのの連続な役」

トークショーの最後に、谷原さん愛用の品を、観客一人にプレゼント。
なんと、革の財布!「3年間使っていたものです。ほら、中身もジャバラになっていて、使いやすいんですよ」と実演つきで、ひとしきり革財布の説明。愛用品といっても、てっきりそこらで買った新品CDにサインをしただけのものかと思っていたので、3年間使い込んだという財布を提供する、谷原さんの真面目な対応にもう平伏。ははーっ。
この革の財布、おそらく「フェリージ」の製品ですね。以前「tepore」サイトの「有名人愛用品」コーナー、「谷原章介さんのお気に入り -1」で、一番に挙げていた品です。当選者の目の前で、サインして差し上げてました。このひと、すごいわ。ははーっ。

今回のトークショーで思ったのは、谷原章介さんは、いろいろ“無駄”が多いひとなんだな、ということ。語弊のある言い方ですが、これ、褒めことばなんです。
無駄に美声、無駄に二枚目、無駄に気取り、無駄に頭がいい、無駄に気ぃ遣い、無駄にサービス精神、無駄に回り道。でも、この“無駄”が彼の魅力なんだと思う。ハミダシ部分に魅かれますね。
このトークショーの後は、ドラマ「大奥」の撮影で京都へ向かうとか。徳川綱吉役。「素敵な女性の皆さんに囲まれて……」と、一歩まちがえればオヤジトークのフリを、さわやかな笑顔と美声でかます。真面目でお茶目な人柄がしのばれる内容でした。