芝居の感想、UPしました
- 作者: 下川耿史
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/02/11
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山本耕史×Naoの舞台「The Last 5 Years」の感想をUP(id:orenade:20050805)。
長塚君も『死体と戦争』を読んだのかなあ、と思った。この本は大きく四章にわかれているが、実際に、直接戦争を題材にしているのは第三章「戦争と死体たち」だけである。これはねー、えぐいですよ。ページをめくるのがつらいです。しかし面白い。つらいけどね。人間の尊厳、衝動、自己保全としての狂気など、いろいろ考えさせられます。
……“正史”とは、個人の行為や感情を無視したところで成立しているのである。私はそのことに違和感を感じ、フリーライターとなって数年間は、個人の書いた戦記などを読み漁り、戦争体験者に極力会うように努めた。
本書はそういう観点から書いたものを集めたものである。戦争と死の問題だけでなく、死体に関するエピソードや自殺者たちの話もそれと同じ位の比重を占めているが、「死に関する、個人的な思い」という点では一貫しているつもりである。
――下川耿史著『死体と戦争』、「まえがき」より(筑摩文庫)
この「まえがき」を読んで、とても共感したのを覚えている。自分も“正史”より、そのとき、個人が何を感じたか、どう行動したかの方に興味があるから。
他の章では、死にまつわるあれこれが書かれていて、こちらも面白い。人間存在について思いを致す本です。