俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

芝居の感想、UPしました

死体と戦争 (ちくま文庫)

死体と戦争 (ちくま文庫)

Last Five Years

Last Five Years

長塚圭史の芝居「LAST SHOW -ラストショウ-」の感想をUP(id:orenade:20050724)。
山本耕史×Naoの舞台「The Last 5 Years」の感想をUP(id:orenade:20050805)。

長塚君も『死体と戦争』を読んだのかなあ、と思った。この本は大きく四章にわかれているが、実際に、直接戦争を題材にしているのは第三章「戦争と死体たち」だけである。これはねー、えぐいですよ。ページをめくるのがつらいです。しかし面白い。つらいけどね。人間の尊厳、衝動、自己保全としての狂気など、いろいろ考えさせられます。

……“正史”とは、個人の行為や感情を無視したところで成立しているのである。私はそのことに違和感を感じ、フリーライターとなって数年間は、個人の書いた戦記などを読み漁り、戦争体験者に極力会うように努めた。
 本書はそういう観点から書いたものを集めたものである。戦争と死の問題だけでなく、死体に関するエピソードや自殺者たちの話もそれと同じ位の比重を占めているが、「死に関する、個人的な思い」という点では一貫しているつもりである。
――下川耿史著『死体と戦争』、「まえがき」より(筑摩文庫)

この「まえがき」を読んで、とても共感したのを覚えている。自分も“正史”より、そのとき、個人が何を感じたか、どう行動したかの方に興味があるから。
他の章では、死にまつわるあれこれが書かれていて、こちらも面白い。人間存在について思いを致す本です。