俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

ひと足はやく、母の日

母親がタダ券をもらったからと、渋谷東Bunkamuraベルギー象徴派展」についていった。渋谷駅内ホームで待ち合わせたが、ハッハー、携帯電話に電源入れてやがりません。ホームを2往復して、ようやく発見。「電源ぐらい入れときなさいよッ!」「入れてたわよ〜、……あれっ?」もう帰っていいですか。
渋谷は「独身時代以来かも」という母に、かんたん解説しながらBunkamuraへ。「ハイこれマークシティ、突っ切りま〜す」「道玄坂に出ま〜す」「一本先の道なので、道路渡りま〜す」ごみごみした小路に入ると、母の思い出スイッチが点灯したのか、「そうそう、渋谷ってこんな感じ。雰囲気あまり変わってないわ」。
ホントにぃ〜〜〜〜〜?
(参考:昭和40年代前半の渋谷 ←「九段小学校同窓会と昔の都電」HPより)

ともかく、無事にBunkamura到着。ぜんぜん混んでなくて、かえって不安なほどだった。「ベルギー象徴派展」は、19世紀末から20世紀初頭の作品群で、淡々しく錆びた色使い、どことなく退廃的だった。日本でいうと、大正ろまん、とでも申しましょうか。絵柄は全然ちがうけれど、高畠華宵伊藤彦造の色気と通じるものがありますね。与謝野夫妻「明星」の挿絵風でもあります。
しかしそのような作風は、母には受けなかったようだ。同じ大正でも、おそらく彼女の世界に近いのは、白樺派「仲よきことは美しきかな (茄子の絵)」。芸風がちがうのだから、そら合わないって。

遅いお昼をいただいた後、東急本店をゆるりと冷やかす。本店は客の年齢層が高めのせいか、年くった母娘連れでいても違和感なかったが、スペイン坂経由でPARCO、西武付近を歩いたときは、どうにも浮き上がっていたような……。うーむ。やはりシブヤは若者の街であることよ。