俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

過去は未来に通ず

阿佐スパ観劇歴のある知人と、昨夜の「TR」について話す。
「圭史、実はホラーが苦手なんですって」「えー! 青ビニールに包まれた物体出すくせに」「舞台の小道具でも、正面から見られないんですって。どの口が言うんでしょうねえ」と遊んだあと、「しかし、正視できないけど気になるものはある」「だからこそかもしらん」という結論に。
高校で演劇部に入った圭史が、卒業記念に初めて書いたオリジナル劇*1が「いかにも圭史で」と笑ったら、その人は「今の圭史は、“そこから先”を書くよね」。ううん、卓見です!
圭史のヒロシマへのこだわりから、昭和史の話にシフト。つっても、ほんの少しだけど。知人の年配のお身内は、女子挺身隊として徳島に徴用されたとき、広島のピカドンが遠くから見えたそう。距離的に遠いが、関東大震災の東京の火災が、電車で1時間ほどの埼玉でも「空が赤く見えた」そうだから (My祖父談)、無理はないかもしれない。それだけ強い閃光だったということか。歴史はつづいているのね。

*1:長塚圭史の初オリジナル劇は、高校卒業記念の上演作。不倫を始めた父親が、古い友人に「お金をあげるから、自分の代わりに“父親”をやってほしい」と頼んで、入れ替わるというお話。
その家族は冷えきっているから、父親が入れ替わってもわからない。むしろ、新しい父親は「やる気」があるので、他の家族にも笑顔が戻ってくる。そのうち、元の父親の不倫関係がくずれて、「また戻ってきたい」という。当然、入れ替わった男は「いやだ」と言うが、結果的には元サヤに。戻ったら戻ったで、ふつうに「お父さん」と呼ばれる。お父さんが帰ってきた、お帰んなさい、その「お帰んなさい」を、今まで入れ替わっていて、追いだされた男が耳にしてしまう……「いい役が欲しくて、なら自分で書けばいいと思った」圭史が演じたのは「準主役」=追いだされた男でした。