俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

93歳

祖父の誕生イベントにつき、帰省中。
明治44年生まれの祖父は93歳になった。歳のわりには元気な方だと思う。ただいま8カ月の姪っ子ちゃんを連れて、兄夫婦も車で帰省。対面は6月以来の姪っ子ちゃんは、ぷくぷくとした頬が愛らしい。しっかり座れて、倒れないのに感動。あーんかわええー。
全員でそろったところで、祖父を囲んで夕食。かき鍋と茶碗蒸し、サラダ、煮物にお寿司。祖父は耳が遠いので、耳許に口を寄せながら話す。新潟中越地震の話題から、兄が「じいちゃん、関東大震災のときと似てる?」と聞くと、祖父は急に目をさましたように話しはじめた。
「わしは小学6年でな、9月1日の午前11時58分、納屋の2階で上族*1ぐみをした箱を移そうとしたら、来た。わしはひどく揺れる前に、ささっと梯子を降りたからよかったが、上の手伝いに来てた2人は、降りられなかったよ。こう、梯子と箱をぎゅっとつかんでな。
外に出て空を見上げたら、大きな入道雲が出ておった。下が赤い。入道雲じゃなく、火事の雲だったのよ。南の空はいつまでも赤かった。東京の火が、埼玉まで見とおせる、すごいじゃないか。
夜、このまま家で寝るのはこわい、ということになり、外に蓆をしき、布団を出すことになった。まだ空は赤かった。でもなあ、やっぱり寒いというので、また家に戻ったんだな」
「外で寝てたのは何時くらい?」
「6時から8時の間だな」
戻るの早っ!
「あのときの大揺れと、光景は、一生忘れられん」と、祖父は〆た。祖父はナレーターのように、見てきたように話すのがくせだ。ちなみに、余震もあったそうである。


おなかがくちくなった後は、テレビ放映のの映画「ロード・オブ・ザ・リング二つの塔」。兄はこたつで寝ており、奥さんは「こんなにゆっくり、テレビを観るのは久しぶり〜」。子育て、おつかれさまです! ロード〜につづいて、「Sma-STATION 4」の新選組!最終回直前隊士大集合SP。局の枠をこえ、今ここに奇蹟が!! と、ひとり盛りあがる妹をしり目に、むっくり起きあがった兄が一言、
「何、新選組? 視聴率わるいんだろ」
兄は正しい。だから妹は、いつも視聴率を気にし、布教にはげんでおるのです。番組を観ていない人には、視聴率という数字が判断基準だし、番組を観て気に入らない人にも、そのよさを視聴率で納得させることができる。視聴率がよければ、続編の話や、別のいい話が舞い込みやすい。それは保険みたいなもの。
きょうだいそろって、視聴率がよければ万事OK、とは思っていません、念のため。「木更津キャッツアイ」だって視聴率わるかったもの。映画化が決まったのは、DVDがバカ売れしたからでしょう。つまり、視聴率の数字やDVDの売上は、やりたいことをやるための道具なんですよ。ないよりはあった方が、話をもっていきやすいよね。
最終的には、視聴率よりも口コミ、ファンの熱さがものをいうでしょう。ただ、とりあえず数字をとって、手持ちのカードにできればやりやすいんじゃないかと思った次第。

*1:糸を吐き出して繭をつくる