俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

円山応挙の写生画

円山応挙のポスカ「虎嘯生風図」の一部

母にただチケをもらったと誘われて、「特別展「円山応挙 <写生画>創造への挑戦」展を観に行く。会場は両国の江戸東京博物館。着いたのが11:20頃と半端だったためか、混んではいるがギュウギュウではない。よかった〜。
円山応挙<写生画>創造への挑戦 - 江戸東京博物館

会場の説明書きによると、日本における「写生」という観念を発達させたのは、応挙やらが先駆けらしい。二人とも、18世紀(江戸中期)に京都で活躍した画家である。

応挙の残した写生用のスケッチは、スケッチとは思えんほど細密なタッチと色使いで、巻紙にすきまなく描かれ、日々の精進がしのばれる。下絵もこまかーく指示をいちいち出しており、本絵もそれに沿う慎重な筆運び。応挙の落款は昔の正字で「圓山應擧」だが、画数の多いこの字体を、細筆の楷書できちんと書いている。どうも彼は、真面目な人柄だったらしい。いったん決めたら動かない、融通のきかない一面もあったのではないかと思われる。

糸が気に入ったのは虎と子犬の画。応挙の生きた時代に、虎は日本にいない。そこで彼は、毛並みは虎の敷き皮、全体の形態は猫を参考にしたとのこと。だから……どの「虎」も猫になっちゃってんの。「猛虎図」は猫がにゃーと威嚇してる感じ。猫というより、張り子の虎を参考にしたと思われる絵もある。大真面目なんだなあ。
充実した展示内容で、よろしゅうございました。画像は、会場で買ったポストカード「虎嘯生風図」の一部。会期は3月21日まで。

特別展のあとに常設展ものぞいたが、ただ広いだけで拡散した印象。展示品もイマイチだし、ハコはでかくても大したことない。もったいない。
博物館を出たのが14:30。遅いお昼を食べて、両国散策。日曜のため、閉まっている店が多い。回向院や吉良邸跡をぶらつく、歴史探訪になってしまった。