俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

橋さと凱旋!

劇団☆新幹線「メタルマクベス disc 1 」@IHIステージアラウンド東京

【脚本】宮藤官九郎
(原作:W・シェイクスピアマクベス」松岡和子翻訳版より)
【演出】いのうえひでのり
【音楽】岡崎 司
【振付&ステージング】川崎悦子
【出演】
橋本さとし 濱田めぐみ
松下優也 山口馬木也
猫背 椿 粟根まこと 植本純米 ╱ 橋本じゅん ╱ 西岡紱馬╱
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 村木 仁 冠 徹弥 富川一人 小沢道成 他

8/5(日)14:00開演、於・IHIステージアラウンド東京。
また豊洲市場前まで行ってきましたよ。同じ劇場「IHIステージアラウンド東京」で、約1年3カ月のロングラン公演を果たした「髑髏城の七人」に引き続き、今度は「メタルマクベス」を演出・キャストを変えて3公演やります。
「メタルマクベス」は2006年初演のメタルロック芝居です。そのときの主演は松たか子内野聖陽で、とにかく松たか子がすっっっごく!!!!よかったんですよーーーーー!!!!! 森山未來くんの、場末のスナックチーママにしか見えない王子も、そのお守役の情けない北村有起哉も、橋本じゅんも、殺されちゃう王様の上條恒彦も、皆よかった。
初演がよすぎて、正直、再演には興味なかったんですよね。劇場のある豊洲も遠いし、ここ最近の新感線に思うところもあり、チケット取るのは悩みました。
でも、橋下さとしがこの舞台で新感線に戻ってくるというからさ〜……。彼が主演のdisc1だけ、チケットを取りました。

いまやミュージカル・スターとして活躍中の橋下さとしですが、昔は、新感線の役者だったんですよ。主役も張れる若手として期待されていたのですが、劇団を出て独り立ちしたんですよね。一応、円満退団らしいです。
タッパがあって、声量よし、スター性あり、おバカなところがかわいいワンコ気質で、愛されキャラだったんですよね〜。と、こう書くと、すごく昔から知ってるぽいですが、私は橋さとが退団する少し前から見始めた程度でして、まあ聞きかじりです。それでも、彼が退団すると聞いたときは、残念だったのを覚えていますよ。
前振りが長くなりました。今回の再演、しょっぱなの「disc1」で堂々の主演で帰ってきた男・橋下さとしはどうだったかって?
最高でしたよ!!!!!
もう一度書くけど、初演の松たか子マクベス夫人)がすっごくよくてさあ、いくら橋さと凱旋舞台と言えども、あんま期待してなかったのよね、ぶっちゃけ。
でも、よかった。橋さとのマクベスはすごく、すんごく、よかった。成長したな〜、と思った。
今回のキャスティングで、橋本さとしが、色眼鏡抜きでダントツによかったです。初演のうっちーもよかったけれど、橋さとは、ぴったりハマり役ですわ。陽気さと闇落ちのバランスがよい。とても落ち着いて観られました。
マクベス夫人役の濱田めぐみは、ちょっと姉御すぎたかな。歌はさすがだが、前半が鬼嫁ぽく見えました。しかし、これは初演の松たか子がよすぎたので (これ言うの3回目だな)、どうしても再演キャストは分が悪いですよね。
今回、残念だったのは、橋本じゅん。やる気あんの? 全然魅力ない。初演と同じキャスティングなのに、まったく輝いていない。つまんない。ただ、8月下旬に公演を観た人によると、その頃には普段の調子を取り戻して、きちんと演じていたそうなので、公演前半は調子が悪かったのかなあ。そういう時期にあたってしまい、残念でした。
今回、王子のお守り役を演じた山口馬木也は、立ち姿がカッコよかったです。ただ、カッコいいだけで、キャラクター造形がいまいち伝わらなかったですね。王様役の西岡紱馬は、歌がまあアレですけれど、この舞台を楽しんで演じているのが伝わってきて、好印象でした。わりと嫌いじゃないよ。歌で言えば、初演は上條恒彦だから……比べないであげて。

脚本・演出で言うと、初演よりも、世紀末伝説感を強く打ち出してました。ゲームか深夜アニメ風? 最後のオチが分かりやすくなっていました。核弾頭だったんですね!