俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

男と女と革命

阿佐スパ「少女とガソリン」atスズナリ

昨日にひきつづき、晴れ。いまのうちにマット類を洗濯する。アイロンがけも一気にかたづけた。あとは、飽和状態のモノを整理したいのだけれど、ううむ手が出せん。目をそらしてお茶を飲む。さんぴん茶んまーい。
夕方からは下北沢。

阿佐ヶ谷スパイダース「少女とガソリン」

【作・演出・出演】長塚圭史
【出演】中村まこと(玉島耕蔵)/松村武(本田)/池田鉄洋(山路)/中山祐一朗(田村)/伊達暁(谷田部)/長塚圭史(笠城芳樹)/富岡晃一郎(三浦)/大林勝(誓)/下宮里穂子(リポリン)/犬山イヌコ(丸代)

6/17 (日)、19:00開演、下北沢ザ・スズナリ。上演時間は2時間半。2001年「日本の女」、2004年「はたらくおとこ」につづく“暴走する男たちシリーズ”第3弾である。
いわゆる小劇場のザ・スズナリで、1か月のロングラン公演。キャパと動員数からして、この日数をはじき出したのだろう。しっかし、スズナリに来たのは何年ぶりかしら。あー狭い。舞台から数列離れた客席でも、PARCOや青山劇場の前から2、3列目に匹敵するような近さです。

中村まことさんに、すべて持っていかれた芝居だった。「このシリーズは、中村まことさんのために書かれてる」という同行者のことばに同意。まったく、中村まことありきで、中村まことに尽きる。なにかあっても、「でも、中村まことさんなんだもんな〜」と、彼が全部チャラにしてしまうのだ。犬山イヌコさんとの組み合わせもよかった。二人とも自然で、しっくりくる。
それでも難点をいうと、まことさんじゃなかったら、ここまで見入らなかっただろうこと。
故意か総括なのか、今回は、今までの舞台の集大成のような既視感があった。長塚作品の「だめパパがんばっちゃうぞ編」ですよ、一言でいえば。でも、中村まことさんが演ると「ちょっと引っかかるけど、まいっかー」「だって、中村まことさんなんだもん」になっちゃう。この理屈のなさが恐ろしい。

OP映像が、ケラさんみたいだった。元ネタが同根ソビエトだから、似るのは当然か。
濃厚なスズナリ空間ゆえ、時折、声が朗々としすぎるのが気になった。特に松村さん。聞こえないよりは、全然ましなんですけどね。久しぶりに、中山祐一朗さんのテンパリ声を聞く。しゃくれた甲高い声、好きだなー。中山さんが痩せてて(元に戻って)うれしい。半年前はアンパンマンか? てなくらい、顔がパンパンでびっくりしたもんね。ジーンズ姿もすっきりで、よかったー! って、なに体型チェックしてるんだ私は。
池田鉄洋さんが、カッコよく見えてしかたがなかった。この人のカッコつけには、スタイリッシュなおかしみがある。堂に入っているのが微笑ましい。伊達暁さんからは、何も感じなかった。セリフが浮いて聞こえたんだけど、だいじょぶか伊達ちん。
ローなところも、気を張って演じないといけないから、役者さんたちの疲労度は高いと思う。声高に叫ぶよりも、低く凄むほうが胆力をつかうものだ。特に、池鉄さんと松村さんは大変だったのではないかしら。まことさんは別格ね。
圭史の笑いの入れ方がよかった。ほんと、うまくなったなあ。アイドルソングは、長塚圭史作詞、伊藤ヨタロウ作曲。圭史とヨタロウさんが親戚(姻戚)だなんて、びっくりだよ!*1

*1:e+ special interview長塚圭史 from 阿佐ヶ谷スパイダース「少女とガソリン」→http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/syoujo.html
いま、上記リンク先を読み直したら、本人が「原点回帰」だと言ってた。