俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

最終日

3連休最終日は、ロック・ミュージカルで〆。世田谷パブリックシアターで、山本耕史主演「tick, tick…BOOM!」。
「RENT」の作者、ジョナサン・ラーソンの自伝的作品。30歳の誕生日を目前にした、売れないミュージカル作家の焦り、揺れ、苦悩を吐露している。どうしても「RENT」を思い出してしまうね。感想は後日。
昼の回の観劇で、外に出てもまだ明るい。青春つながりで「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」行きますかー? と、いったん盛り上がるも、ちょうどいい時間帯がなく、あっさり「冬のお洋服check」に変更。ぴあステーションに寄ったついでに、渋谷109をのぞいてみたら、もうあきません。あの若さについていけない…。ミニスカ、ブーツ、キラキラ、重ね着、黒のアイメイクと、見事に客の服装・メイクが一緒。店のチェック回遊も早やっ! どんどん入って、どんどん出るのね。回転率よろしいわ。結局、ぜんぜん別の店でバッグを購入。デイリー用がボロくなってたので、わりと勢いで買っちまいました。色が決め手。前のバッグと違うフォルムも、気分がかわっていいわ〜。明日から詰め替えて使おっと。

TBS/CATプロデュース「tick, tick…BOOM!」

【作詞・作曲・脚本】ジョナサン・ラーソン
【翻訳・訳詞・演出】吉川徹
【出演】ジョナサン:山本耕史/スーザン:愛内里菜/マイケル :ゲイリー・アドキンス

11/5 (日)、13:00開演、於・世田谷パブリックシアター。上演時間は2時間15分 (休憩15分含む)。
オフ・ブロードウェイのロック・ミュージカルで、「RENT」の作者ジョナサン・ラーソンの個人的作品。30歳の誕生日を目前にして、夢と現実の差に揺れる心情が率直に書かれている。表題の「tick, tick…BOOM!」は、青春の終わりを告げる時限爆弾のように響く、時計の針の音。こんな時期あったよねえと、懐かしく思う。30に限らず、節目の年っていろいろ考えちゃいそうようね〜。先に映画「RENT」を観ていたため、つい重ねてしまった*1。「RENT」は若い20代の貧乏アーチストたちの話だが、「tick,tick…」より後の作品。30代になってからの執筆の分、若者の夢や希望、その苛立ちが凝縮され、愛情深く描かれているように思われる。二つの作品を並べてみると、「tick,tick…」は等身大の個人、「RENT」は祈りに似たおとぎ話のようだ。だめだ「RENT」観たくなっちゃう。
演じ手は3人だけ。みんなよかったんだけど、ちょっとだけ辛口をいうと、山本耕史君の動きがワンパターンだった。彼の芝居は「リンダ リンダ」「「Last 5 Years」「リトルショップ・オブ・ホラーズ」と続けて観て、演技のクセが分かってきたせいもあるけれど、もうちょっと殻を破れるといいね。器用なだけに、頭で考えすぎた演技の組立てをしてしまうのかも。同じ山本ジョナサンの、2部における感情のたかまりは圧巻だっただけに残念。この人は、小手先ではなく感情を解放した演技がすばらしいわ。ただ、ここでも難癖をつけちゃうと、感情を解放するタイミングも測っている気配があって、やっぱり彼は考えすぎなんじゃないかしらん。動く体に恵まれた容姿、天稟もあるのだから、一度頭をからっぽにして演じてみてほしいなあ。
スーザン役の愛内里菜ちゃんは、歌がちゃんと聴けてよかった。演出も変なところがなくて安心。ダニエル役のゲイリー・アドキンスは、「GATSBY (ギャツビー)」のCMソングを歌っている人。今回キャスティングされて、日本語ペラペラなのかしらと思ってたら、別にそれほどでもなかった。少々たどたどしいが、歌はさすが。ジョナサンとダニエルのデュエットで、1曲まるごと英語だったが、字幕の出し方が工夫されていて面白かった。この3人の配役でよかったと思う。
スーザン、ダニエル、ジョナサン、3人ともちがう結論を出しているけれども、それはそれでいい、自分の道をいこう、という肯定が優しいエンディングだった。この優しさは「RENT」にも通じるもの。今月下旬の来日版「RENT」が、今から楽しみです。

*1:「RENT」映画感想→http://d.hatena.ne.jp/orenade/20060702。見直したら、長いくせにたいしたこと書いてなかったわー。要は「楽曲がすんばらしい」「洋モノ移植の日本語ミュージカルって難しそう」「青春だなあ」。