俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

定期健診と映画

年に一度の定期健診に行ってきました。夜はレディースデーをあてこんでの、映画「この世界の片隅に」を観てきましたよ。

まずは健診から。
2年前から改装中だった病院は、とうとうリニューアル完成のようです。土木の足場や覆いが綺麗さっぱりなくなっていました。
人間ドック、混んでましたね〜! 例年より時間かかりました。検査自体は13時半過ぎに終わって、バリウム対策に下剤を服用。3〜5時間後に効く、とのこと。
検査のため朝から絶食なので、いつもお昼が楽しみなんですよね〜。今日は蕎麦屋でカツ丼定食を頼みました。カツ丼……ふだん食べる機会がないから注文したけれど、お腹に重かったです(笑)。もう無理がきかない年齢になったのねえ。
検査終了から約1時間後に結果が出て、医師から内容を告げられるのですが、ここ数年と同じです。おおむね健康体で、気になる箇所は2013年頃から同じ。
そうそう、昨年、基準値超えしたγ-GTPの値がもとに戻ってました。よかった。
ここらへんで、下剤を飲んでから2時間経つか経たないかなのに、効きめが出始めてビビりました。しばらく病院の待合室で休み、喫茶店で休み、若干効果がおさまってから出社しました。だって、電車に乗って危なくなったら嫌だもの……。

映画「この世界の片隅に

さて、レディースデーで映画がお安い日です。退社後、話題の映画「この世界の片隅に」を観てきました。20:10〜の回だよ。
原作者・こうの史代さんの漫画は、ヒロシマを題材にした『夕凪の街 桜の国』をはじめ、鳥漫画の『ぴっぴら帳』、一風変わった夫婦の『長い道』、男やもめとなった参さんとその家族の話『さんさん録』を読んでます。
この世界の片隅に』は、続き物(全3巻)ということもあり、完結したら買おう、完結したらしたで、うーんそのうち買おう……になった本でした。読めば面白いだろうし、胸にささるのだろうな、とは思ったのだけど、その一方で「題材から予想されて、読むのがつらい」「こうの史代さんの女主人公のタイプがだいたいわかってきたので、予想がついてつらい」この2点で、なあなあにしてたんです。で、今回映画になって大評判なので、「原作を買って読むより、先に映画を観ちゃおう」と思ったわけ。

映画は、とてもよかったです。
主人公のすず役の声優が、能年玲奈(のん)ちゃんなのだけど、これは絶賛されるの分かるわ。私、最初は能年玲奈なのを忘れて、劇場の席に座っていたんですよ。すずが一言、二言しゃべるのを聞いただけで、「なにこの声優すごい! 誰誰だれ!」と思ったもの。少ししてから、「あ、能年ちゃんか」と思い出しました。
ベテラン声優さんは役者出身の方が多いのですが、能年ちゃんもイケるわー。すずの役が、端(はた)からはボーッとして、流されているように見えるけど、実は芯の強い女性なんですね(まあそこが「こうの史代さんの女主人公」すぎる部分なんですけど)。その、ボーッとしてるけれど、なぜか惹きつけられるゆったりした語りが、ほんとにすごく似合ってた。
能年ちゃんが「あまちゃん」を経験していたこともあるかもしれない。天真爛漫な子が、東日本大震災を機にガラッと変わってしまった世界を体験するでしょう。
「この世界に片隅に」では、戦争が始まって、最初はそれでものどかだったのが次第に戦局が悪化し、思いもかけない空襲を受け、軍港・呉の町からピカドンを見て……世界が変わる。自分の力ではどうしようもないところで翻弄され、傷つくけれど、それでもだんだんに受容して、自分と世界を認めていくところに、相通じるものがあります。
主人公のすずさんは、戦争が始まったときには19歳でお嫁入りするくらいだったので、周囲からは「まだ子供なのよ」と言われつつも、やっぱり大人の視線で戦争を捉えているように思いました。
同じ戦中派でも、これが子供・青少年になると、また複雑なんですよね〜。山田風太郎のように、大本営発表をまったく信じずに戦況の不利を悟っていても、「神州日本」は疑わず徹底抗戦を叫んでいた者もいれば、司馬遼太郎のように、学徒出陣で砲弾があたったら貫通するようなペラい戦車に乗せられ、乗ったら死ぬような戦車しか作れなくなった日本とその首脳を憎悪する者もいます。学生と社会人(?)の差かしら。