俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

久しぶりの

劇団☆新感線 SHINKANSEN☆RX「Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜」@赤坂ACTシアター

【脚本】宮藤官九郎
【演出】いのうえひでのり
【バンド】岡崎 司(G.) 松崎雄一(Key.) 福井ビン(B.) 松田 翔(Dr.)

【出演】
生田斗真小池栄子 中村倫也 神山智洋(ジャニーズWEST)/橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと篠井英介
徳永ゆうき 紘毅 松田翔

右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾/吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 川原正嗣 冠徹弥 教祖イコマノリユキ

蝦名孝一 原慎一郎 中野順一朗 棚橋麗音 山�翔太 鈴木凌平 中江友紀 内田莉紗/花瑛ちほ 笹丘明里 武田浩二 藤家剛 加藤学 川島弘之 熊倉 功 下川真矢

9/11(日)12:30開演、於・赤坂ACTシアター。休憩20分をはさみ、上演時間は3時間30分ほど。16時頃の終演です。
……長いよね!
クドカン脚本で、ネタは面白いのですが、そればっかり機関銃のように繰り出されると、お腹いっぱいで「もういいよ、休ませて」という気分になってしまったのが残念。いのうえさんの演出も相当派手で、音がドーン、照明ビカビカだったからな〜。

新感線では10年ぶりの、生田斗真くんが主演です。斗真くん久しぶり〜! あなたが新感線に初めて出たときの舞台(2002年「スサノオ〜神の剣の物語」、TOKIO松岡昌宏主演)で、この子輝いてる!面白い!と思ったこと忘れてません。その斗真くんでクドカン脚本、新感線の音モノといったら、そりゃあ観に行くよね。

斗真くんが吸血鬼で、今はヴィジュアル系ロックバンドのボーカリストという話です。とても楽しみにして劇場に行ったのですが、うーん……ちょっと設定倒れかなあ……。
斗真くんがもとは平安貴族で、かぐや姫との因縁を絡めながら、千年の長きにわたる愛を貫くストーカー話なんですね。かぐや姫は斗真くん演じる平安貴族の従者(ジャニーズWESTの子)が好きで、恋愛のベクトルが交わらない。転生(?)を重ね、まったく別の顔、性別になっても愛せるか……という問題を出してきます。
運命の愛、宿命って何サー。ということでもあるし、愛と執着の違いは何か、ということでもあるよね。大筋ではよく繋げられているんですよ。しかし、どうも取ってつけた感があるのよねえ。

というのも、ネタが多すぎて、本題(愛の本質がテーマならば)がかすむのです。
私が思うクドカン脚本の特徴として、ネタや勢いで突っ走り、少々の矛盾は感じさせない、というのがあります。わりと力技でねじ伏せるところがあるよね。
でも、今回の舞台は、それが裏目に出たように思います。最後、いろいろ投げっぱなしになってません? 吸血鬼だらけになって、その後どうするんだろう。これが気にならないくらい面白ければ「細かいこたァいいんだよ!」となるのですが、どうにも割り切れなかったよね。残念だけど、そういう舞台だったってことよね。最後のブツ切り感がまた、クドカンらしくて、いいんだか悪いんだか。


役者陣は、みなさんよかったです。中村倫也くんがキレッキレで素敵でした。篠井英介さんも安定感ばつぐん。徳永ゆうきくんは、あれは反則!(笑) 演歌歌手の方だったんですね〜。鉄ちゃんネタは本人の趣味でもあったのか、よく脚本に練り込んだなあ、とそこは宮藤さんに感心。
でもなー、肝心の主役である斗真くんと、ヒロインの小池栄子が目立たないんですよ。斗真くんが愛のストーカーになるのも「設定のための設定」ぽくてノれなかったし、他の登場人物たちが濃すぎて、結果的に主役が脇になっていて、すごーくもったいなかったな。
一緒に観劇した友達が「みんな変人で、かえって埋もれる感じ。一人くらい常識人を出したほうが、互いに際立つのに。メリハリがない」と言っていて、なるほど!ですよ。
それと、橋本じゅんさんの役。また沖縄か! クドカン沖縄好きだよな! でも長いよ飽きたよ!
全体的にネタが長くて、繰り返しの美学がウザかったです。モモクロをもじった、TEAMホボカタの「ありまーす!」も、2回目までは面白かったけれど、最後は「いい加減、次いこうよ……」ってなりました。音モノだから歌が多いのは当たり前だけれど、なんかね〜、長いのよ。
歌やネタは繰り返し飽きるまでやるのに、ストーリー部分は駆け足なのも、観ているこちらが疲れる原因かな。

斗真くんの役は、当て書きだったんですね。吸血鬼ネタは、いのうえさんから出たものだったのか。それを素直に忠実に脚本化したクドカンは、やっぱりすごいな。でも長かった……(こればっかり)。
劇団☆新感線「Vamp Bamboo Burn」宮藤官九郎が当て書き、“無様”な生田斗真も - ステージナタリー