俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

厳しい感想

劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎《黒》BLACK「乱鶯(みだれうぐいす)」@新橋演舞場

【脚本】倉持裕
【演出】いのうえひでのり
【出演】
古田新太稲森いずみ 大東駿介 清水くるみ╱橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと╱山本 亨 大谷亮介╱
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ╱礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 川原正嗣╱ほか

3/26(土)17:00開演、於・新橋演舞場。上演時間は、休憩をいれて3時間40分。

率直に書きます。今回のはつまらなかった。
古田新太が義賊をきどった盗っ人で、追い詰められたところを見逃してくれた同心(だったかな)に感謝して堅気に戻るんですね。それから、あれこれあって……という筋書きなんですが、休憩込みで3時間40分は長いでしょ。ある意味素直な、ひねりのない脚本なんだから、前半1幕目の90分でラストはネタバレしてるようなものだよね? 
休憩なしの90分、せめて120分で緊密に仕上げるなら、満足度高かったと思います。
実際の歌舞伎を意識した作りなのかもですが、モノホンの歌舞伎とは所詮ちがうのだから、あの筋書き展開なら、最低2時間が限度ですね。筋の進行が遅くて、イライラしたわ。
分かっている結末に向けて練り上げるなら、もっと無駄を削いで欲しかった。幽霊いらない、クスグリも冗長。全体的にもっとシンプルにすべきだったのでは?

キャストに不満はないけれど、地味で、これは!という人がいなかったのが残念。大谷さんの役など、演じていて面白いですか?と聞いてみたい。うまい役者さんですが、消化不良です。
脚本と上演時間の長さと、新鮮味のない演出、これが今回のマイナス要素です。
演出も目を引くものはありましたし、タイトルバックも好きでしたけど、「いつもの通り」でした。これが、敢えてつまらない、と書いた理由です。
脚本の倉持さん、新感線のカラーに合わそうとしたのかしら。いのうえさんも人生の機微に深入りしたいのなら、拍子木や音楽に頼らない、いつもと違う思い切った演出をしてみてほしい。どうせやるなら、もっとソリッドに、絞り込んだものが観たい。「いつも通り」は飽きた。もう飽きた!