俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

お雛さま

久しぶりに上野の東京博物館へ行ってきました。平成館での特別展はないのですが、本館の企画展示でやっている「雛(ひいな)の世界」を観たかったのですよ。
ちょうど、年に四回の「庭園開放」の時期でした。桜が咲いていればよかったのでしょうが、まだまだ先ですね。


「雛(ひいな)の世界」では、数種のお雛さま、官女と大臣たち、そして可愛らしいミニチュアのお飾りを観ることができました。
どんな様子か、東京博物館のツイッターでほんの少し見られます。
トーハク広報室 on Twitter: "本日より、毎年恒例、ひなまつりの特集陳列が始まりました。今回は「かわいい日本のミニチュア」をテーマに、女官服の雛形なども展示します。 http://t.co/4NHc7dWvoh"
ツイッター画像にある一番手前のミニチュアお飾りは、出雲松江藩松平家伝来の雛道具で、三ツ葉葵紋付です。すっごい可愛かった〜。

ケータイ画像につき粗くて申し訳ないですが、かさ高い冊子は小倉百人一首です。いかにも女子の手習い、という感じがするではありませんか。
そして、とても表情がゆたかで愛らしかった、加茂人形の五人囃子。

豆粒のようなサイズの五人囃子で、表情を分かるように撮ろうとすると、アップのしすぎでピントぼけ。でも、童子の素朴な笑顔が可愛くて!

最後に、実はこれが観たくて来たようなもの。
犬筥(いぬばこ)です。

こちらの犬筥(いぬばこ)は、享保雛の両脇に飾られていました。享保雛も上品なお顔で、見ていて心が穏やかになりましたよ。
さて、犬筥は「犬張子」ともいい、犬は多産で安産なことからお産のお守りと見なされ、筥(はこ)の中に護符を入れて厄除けにしたりしたそうです。江戸時代には雛人形と一緒に飾られ、少女の成長を祈る意味が込められるようになったとか。
男雛・女雛の脇侍として飾られていたようですね。こんな感じです。


直上の写真はミニチュア版ですが、この犬筥、実際にはかなり大きいです。さし渡り40〜50cm近くあったのではないかしら。
お雛さまの企画展示室にはもう一組、別の階でももう一組の犬筥が展示されていました。まずは、同じ企画展示室の犬筥。

こちらは、別の階で飾られていた犬筥。貝合(かいあわせ)とともにご覧ください。


浮世絵コーナーは、てっきり花見特集だと思っていたら、歌川広重フィーチャーでした。私の世代では「安藤広重」と習ったけれど、今は歌川広重なのよね〜。花見の浮世絵は、展示がもう少し先でしたわ。
しかし、館内でもいくつか花は咲いておりました。

そのほか、「支倉常長像と南蛮美術―400年前の日欧交流―」など。支倉常長は、仙台・伊達家の慶長遣欧使節団を率いた武将。渡欧中、教皇に謁見のため訪れたローマで描かれた肖像画をメインに据えて、「南蛮人渡来図屏風」や「世界図屏風」も展示されており、こちらも楽しゅうございました。
支倉常長肖像画はほぼ等身大で、とても大きかったですよ! 400年前の日本人をイタリア人が描いたというのも、なにか不思議な気がしますね。
トーハク広報室 on Twitter: "本館7室にて公開中の支倉常長像。金銀の糸で飾られた薄模様の小袖と袴を身に着けたその姿はまさに伊達男!小袖の下にはヨーロッパ風のシャツを着けているのか、美しいレースが覗いています。 http://t.co/gLSShqvipu http://t.co/LuZttpYRSk"

通常17時閉館ですが、土曜はたいてい1時間延長の18時だから……とゆっくり観ていたら、館内放送で今日は17時閉館ですって! あと15分じゃん!
あわてて出口に向かい、博物館とお別れです。上島珈琲店で苺のミルク珈琲を飲み、上野駅構内を冷やかして帰宅。