俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

テキサス

テキサス -TEXAS- @PARCO劇場プロデュース

【作】長塚圭史
【演出】河原雅彦
【出演】星野 源 木南晴夏 野波麻帆 岡田義徳福田転球 政岡泰志 伊達 暁/吉本菜穂子 山岸門人/湯澤幸一郎 河原雅彦高橋和也 松澤一之

3/25(日)14:00開演、於・渋谷PARCO劇場。上演時間は約2時間5分。
こちら、昔の深夜番組「演技者。」でドラマ化された作品です。観てないけど。名前だけは聞いたことあって、圭史の初期作品かぁ、と思い、チケット購入しました。
初演は2001年、河原雅彦主宰のパフォーマンス集団「HIGHLEG JESUS」により、長塚圭史の作・演出で「HIGHLEG without JESUS/長塚 JESUS」として上演。今回の再演では、演出は河原雅彦ですね。初演観てないからなあ、どのへんが変わったのか分からないや。

さて、初期の圭史作品だけあって、スプラッタ要素ありました。うん、すっかり忘れてたよ!
これが初主演の星野源、いつも大人計画の舞台で観ていたけれど、正直さほど印象に残る人じゃーなかったんですよね。でも今回はよかった。初めてカコイーと思った。役柄のせいかな。あの手のダメ〜でちょっと優しげな男、リアル関係者でなければ、けっこう好きなんですよね。リアルではなぜNGかというと、こたえは簡単イラつくから。でも「おはなし」なら好き。我ながら現金であります。
あと、星野くんの顔、田中圭と似てると思った。本筋と全然関係のない話ですみません。
岡田義徳も、なかなかよかったです。この人も、それほど好きなタイプの役者ではないのですが、ワルにしては中途半端な取り立て屋の役が似合ってました。四ツ星(役名ね)アンタ全然深く考えてねえな、っつー底の浅さがいい。いちいち慌ててんの。でも生き返るとは思わなかったな〜。死んだままでもよかったのに (ヒドイ)。
吉本菜穂子はさすがの安定感。しかし、自分でも意外なんですが、一番よかったと思ったのは高橋和也でした。なぜ! きっぱりはっきり苦手な部類の顔、役者なんです。でも、今回の役柄は切なかった……。洗濯もの畳んでいる和也が可愛く見えたよエエエエエ。そして、かすかに漂うゲイ臭。Why!

脚本は、ああ、圭史だな、これは楽しい圭史作品だな、と思いました。圭史作品で、今も昔も変わらずブッちぎりの No.1 は「はたらくおとこ」なんですが、今回の「テキサス」は、実はあんま期待していなかった分、楽しかったですね。ありえない設定とファンタジックさを、うまーく使ってるんだ。途中でクラリと裏返るとこも含めて、これ、圭史の持ち味だと思う。
ただ、田舎の捉えかたが、やっぱり都会出身者かな、と。辺鄙を通りこして「秘境」といってもいい、独特の風習のある田舎。登場人物たちが、みんな自分の田舎(現在地)を愛しているんですよね。閉塞感がないんだな。
主人公が東京から田舎に戻ってきたところからして、「そんな仕事もなさそうな田舎にフツー帰らねえよ、田舎育ちではなく、小学校の夏休みに1週間行く程度のぬるい都会モンの発想だなケッ」と思う私は、相当偏見入ってますけど、やっぱり田舎は「遠きにありて思うもの」と思いますよ。