俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

文化の日

東博と満月

飛び石連休、だーい好き。3連休もいいけれど、平日にポコッとある休みは、文字通り「休めよ」と言われているようで嬉しい。連続休は予定を詰めがちなもので、こういう「週の中日にポツン休」のほうが、自由に使える気がしますね。
寒波襲来でさっむーい! が、空は晴天。おなじみ布団干しに掃除機。2か所の図書館に行き、資料を借りたりコピーしたり。さて、日が傾いてまいりました。どうしよう、今日で「皇室の名宝展」第一期が終了なんだよね。第二期は作品総入替えなんだよね。18時閉館なのよね。
迷いまよって上野まで、駆け込み鑑賞してきました。うん、行ってよかった! 閉館まで居座り、外に出るともう真っ暗。出口付近で、皆が携帯を取り出し、夜空に向かって構えている。その先を見ると、大きな満月がぽっかり浮かんでおりました。

御即位20年記念特別展「皇室の名宝−日本美の華−」第一期@東博

俗物ですみません、伊藤若冲動植綵絵」全30幅の一挙展示、酒井抱一「花鳥十二ヶ月図」が目当てです。若冲の「動植綵絵」は、描いた順番に並べてあるそう。緻密で大胆な配色、空間恐怖症ではないかと思うほどの書き込み。“和”っぽくない熱量を感じますね、若冲からは。酒井抱一は、実はそんなに知らないのだけど、なにか気になるんですよねえ。スマートで、余白がだれずに緊張感がある絵でした。
狩野永徳・狩野常信筆「唐獅子屏風絵」は、どーんとしてる。唐獅子好きなもので、巻き毛巻き尾を眺めているだけで楽しい。やはり、このサイズは城郭大広間が似合いますな。円山応挙が2点ありました。こちらの孔雀は端正。江戸期の、猫っぽい虎が大好きです。かわいいわあ。
あと、作者不詳の「萬国絵図屏風」がよかった。制作は安土桃山時代。世界地図、欧州各国都市図、南蛮人、他国人の風俗絵。全体に南蛮絵風です。そりゃそうか。すでに南北アメリカがばっちりある世界地図で、アメリカやアフリカ大陸のあたり、なかなか正確で驚き。アジア圏はやや微妙なところもあるが、総じてアウトラインはあっているのがすごい。17世紀でも、ここまで世界が把握されていたのか。
閉館間際のおかげで、入場規制もなく、人気展示の割にゆっくり観られた。それでも若冲は最後まで、人だかりしてましたね。近世の部ばかりになってしまったけれど、近代の部は工芸品がすてきでした。西陣織で織り上げた「春郊鷹狩・秋庭観楓図壁掛」は、絵画と見まがうばかりの職人業。ここまでやらんでもと思うくらいの迫力です。西洋のタペストリーを意識し、それを凌駕するものを作ろうとしたのではないかしら。川島織物、三代目川島甚兵衛の作。その他の工芸品からも、2004年の展示「万国博覧会の美術」を、ちらと思い出したよ。