俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

さらばピラ校

ピラミッド校舎。略してピラ校。

ピラ校が取り壊しになると聞き、姿をしのびに行ってきた。
ピラミッド校舎、通称ピラ校。地味な大学の真ん中に鎮座する異空間である。中は大教室が1つだけ、という贅沢な造り。一般教養ではお世話になりました。在学中はなんとも思っていなかったけれど、いざ取り壊されるとなると、さみしいもんですね。


写真左はピラ校、中央はピラ校の外廊下。右の奥に写っているのは理学部棟。
ピラ校を写真におさめていると、「すみません、撮っていただけますか」と声をかけられた。お互いのカメラで撮り合い、「本当に取り壊されるんでしょうか」「さあ……」よく見ると、同じように佇んでいる人がちらほらといる。見も知らぬ人たちだが、同じ卒業生かと思うと親近感。不思議ね。

写真左は、図書館を中央奥にはさんで、文学部棟と北1号館。中央は東別館。一軒家か! と思うけど、ふつうにここでゼミとりました。ここの水洗は、まだ紐でひっぱる式なんだろうか。右は、輔仁会館から見たピラ校。

私のへこい写真よりも、もっと丁寧で点数も多く、周辺まで紹介解説されたblogがあります。実際に歩いて見学したような気分に浸れます。知らない方も、より楽しめると思うのでご紹介。
月刊旧建築:2008年1月13日付の記事
改めて見ると、建築家が各建物のバランスを考えて設計・配置したことがわかります。設計当初のピラ校周辺は、ピラ校も含めて低層であり、圧迫感が少ないですね。さすがだなあ。

最後に、ピラ校取り壊しを報じた新聞記事でさようなら。それにしても、竣工から47年で解体。現代建築の寿命の短さに無常。

……通称「ピラミッド校舎」が今月、老朽化などに伴って取り壊されることになった。(中略)
「ピラ校」と略称で呼ばれる校舎の正式名称は「中央教室」。一辺の長さ約30メートル、高さ約25メートルの四角錐 (すい) だ。モダニズム建築の先駆者と称される建築家・前川國男氏の建築設計事務所が設計し、60年に完成した。
68年放送のウルトラセブンの第29話「ひとりぼっちの地球人」では、京南大学という架空の大学の建物として登場。地球侵略をたくらむプロテ星人とウルトラセブンが戦うシーンでは、セブンが過ってピラ校のミニチュアに体当たりし、壊してしまう場面もあった。
内部は約700人を収容できる教室で、映写室も備える。しかし築後47年を経て耐震、防水工事などに多額の費用がかかるうえ、暖房設備もないなど授業に不向きだとして解体が決まった。
3月ごろまでかけて解体し、跡地には地下1階、地上11階建ての「中央教育研究棟」(仮称) を夏にも着工する。法科大学院の教員研究室や演習室、外国語教育研究センターなどが入る予定。ピラ校の外観を受け継ぐ「ピラミッド広場」も設ける計画だ。
──「朝日新聞」2008年1月4日付記事より