俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

カウリスマキのあかり・2夜

今日もアキ・カウリスマキ。「コンタクト・キラー」です。

アキ・カウリスマキ「コンタクト・キラー」

1990年公開作品、80分。原題は “I Hired a Contract Killer”。「マッチ工場の少女」と並んで、ずっと観たいと思っていた映画。人生に絶望して、殺し屋に自分の殺人を頼んだ男が花売り娘と恋に落ちてしまう。一転、殺し屋から逃げ回るが……という話。

面白かったー。笑いと悲哀は背中合わせね。舞台はロンドンで、主人公のアンリはフランス人。演じているジャン・ピエール・レオーは「大人は判ってくれない」の人。といっても、恥ずかしながら観たことがないので判らず。最初はMr.Beenのフレンチ版かと思ったが、そのうちピーター・フォークに見えて困った。もちろん目の錯覚です。
アンリが殺し屋と接触しようと出向いた、酒場のシーンが面白い。全員がたばこ喫ってる。アンリの虚勢を張った返しかたが可愛らしい。ちょっとちがうんだけど、映画版「銀河鉄道999」で、鉄郎が酒場でミルクを注文するシーンを思い出した。
恋に落ちてからの、アンリの手の早さに「さすがフレンチ」と感心。ちょっと前まで、同僚にも話しかけられなかった男と同一人物とは思われない! それほど好きな女なのに、目の色とかどうでもよさそうなのが、いいねえ。
映像の配色がすばらしく綺麗。「マッチ工場の少女」もそうだったけれど、独特の色彩美で、画面の端まで揺るぎがない。殺し屋のエピソードが、特に心に残った。