俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

実家にDVD機設置。「東京暮色」を観る。

姪っ子ちゃんに起こされる。子供は元気だなー。猫のぬいぐるみを手渡され、にゃーにゃー言って遊んでたら「猫のおうた、うたってー」超難問。苦しまぎれに「TOKIO」のメロディにのせて、にゃーにゃーにゃー、と、全部にゃーで歌う。意外と受けた。よかった。
朝は赤飯、昼に蕎麦を食べて、兄夫婦は用事で帰宅。こちらは残って、実家の年賀状作成の手伝い。ついでに、自宅から持ってきたDVDプレーヤー(再生専用)の配線も済ます。昨年レコーダーを買ったため、部屋の片隅で置物となっていた再生専用機の有効利用です。設置したら、新しもの好きの父親(しかし機械オンチのため、自分でDVD機は買えない)が、ニカーッて笑った。
見本に持ってきた映画DVDで、操作説明をする。親父真剣。リモコンが「再生」「停止」と日本語表記で助かる。DVDの取り出しで「巻き戻さなくていいの?」「いいの!」「へえー便利だな」。それからお茶を飲んで、あら父さんいないわね、散歩でしょうと言ってたら、レンタル屋から4本もDVDを借りてきた。早っ!
せっかくなので、いっしょに観る。小津安二郎の「東京暮色」。
彼岸花」みたいな、上品なおとぼけを想像してたら、予想外に暗く、救いがない話。婚期を逸しかけた娘と父親、その同級生、縁談といった、おなじみ設定がずらされてる! 「小津調」と呼ばれるローアングル、正面ショットに、抑制のきいた画面や演技は、そのままなんだけど。原節子が姉で、有馬稲子が妹、父が笠智衆という役ぶれで、姉は結婚がうまくいかず出戻り、妹は不良仲間に染まり転落の人生、まさかの死にオチ。「私やり直したい、死にたくない」「死にゃあせん、死にゃあせんよ」「そうよ死なないわ」飛んで次のシーン、喪服姿の原節子。シュール!
あとで知人に聞いたら、「東京暮色」は小津映画では異色作なんですって。小津って、シュールでコントだけれど、シュールの比率が高かったわ。小料理屋と同窓会はやっぱり出てきたよ。有馬稲子が、めさ綺麗。さて、観終わってDVD取り出しの際、ふたたび父親が「巻き戻さなくていいの?」「いいの!」「へえー便利だなあ」。ここは小津にならって、「いいのよお父さん、いいのよ」と言うべきでありました。