俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

週明けもスマ

レインマン [DVD]
スマづいている。今日は、草なぎ君の新ドラマ「僕の歩く道」初回。これ、「僕のいきる道」(スキルス性胃がん、テーマ:死)、「僕と彼女と彼女の生きる道」(離婚、テーマ:絆) につづく、「僕」シリーズ3部作の最終章なんですって。3部作て、思いきり後付けぽい。今回の草なぎ君の役は、知的遅れのある自閉症の青年で、テーマは純粋、だそうだ。
自閉症というと、映画「レインマン」だよねー。また年がバレますな。「トップガン」でトム・クルーズにはまった友達に誘われて、映画館で観た、思い出深い作品です。“クックー”だったっけ、しばらくTVでも、ダスティン・ホフマンの物真似が流行ったものだわ。前作「僕と彼女〜」も、内容的には「クレイマー・クレイマー」に近いし、ダスティン主演作が続くなあ(ちがいます)。
とは言いつつ、障害者モノは、苦手な方である。和久井映見の「ピュア」みたいになんないでね、と思っていたら、テーマがピュア。うーむ。
実際に観たら、大丈夫そう。山田太一っぽい? TVの制約はあるだろうけれども、自閉症についてきちんと調べて、基本をうまく説明している感じ。感じ、というのは、自分は自閉症について、通りいっぺんしか知らないから。「レインマン」観ててよかったよー。自分が「レインマン」で、自閉症の一端を知ったように、このドラマで症状や病気への理解が進むことを願う。あと、できれば草なぎ君の役が、今後も天使扱いされませんように。

このドラマで、「レインマン」とともに思い出したのが、三原順の漫画「ビリーの森 ジョディの樹」だ。ビリーは足りない子で、感情表現が苦手、ことの善悪の判断もおぼつかず、ただ目の前の事象を認識するだけである。物事がわからずに周囲をいらだたせることを、つらいと思う。また、ゆっくりとなら、難しい手順も覚えることもできる。はっきり明示されないが、自閉症を思わせる少年だ。自分を好いてくれる人には敏感で、愛することを知っている。ビリー少年が一番愛しているのは、ジョディという少女だ。ジョディもまた、ビリーが好きで、他人の悪意からビリーを守ってやる。しかし、いつまでも少年少女ではいられない。年ごろの美しい娘になったジョディには恋人ができ、社会との関係が生まれ、ビリーの半径から離れていく。それは、ジョディが今でもビリーのことを大切に思っているのとは、ちがう次元の話なのである。
そして悲劇が起こるのだが、この漫画で一番胸をつかれたのは、ジョディがビリーへの思いやりを忘れないでいても、まったく、彼女の恋愛対象にビリーは入らないのである! 作者が巧妙に、性の問題を回避しているのを差し引いてもだ。そのことに、わたしは泣いた。

ビリーの森ジョディの樹 (2) (白泉社文庫)

ビリーの森ジョディの樹 (2) (白泉社文庫)

※書影はこちら (リンク先は「三原順記念館」HP)。
初版の主婦と生活社版、ブッキングによる復刻版 → http://www.t3.rim.or.jp/~hylas/Jun_Mihara/comics8.html#akumu
白泉社文庫版 → http://www.t3.rim.or.jp/~hylas/Jun_Mihara/comics13.html#billy-bunko1
※「ビリーの森ジョディの樹」については、以下のURLが詳しい。ネタばれあり。
りあんの本棚にようこそ」HPより「コミックの棚3」 → http://www2.plala.or.jp/Lian/bookindex/comic/comics3.htm#billy