俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

伊藤つながりの展覧会

若冲と江戸絵画展ポスター

代休とったった。平日休み! いい響きだわ〜。
代休の使い道は、最初から決めていた。展覧会めぐりです。しかし心身ゆるゆるで、起きたの11時。まあいいのさ。ゆっくり行こうぜ。

弥生美術館「伊藤彦造 追悼展」

まずは弥生美術館の「伊藤彦造 追悼展」。地下鉄南北線「東大前」から行ってみた。東大て広いわー。建物が古いわー。緑が多いわー。三四郎池に寄ってみたかったが、のんびり家を出たもので時間がない。しばらく東大の塀に沿って歩く。
伊藤彦造は、戦前戦後に活躍した挿絵画家で、緊密なペン画と禁欲的、嗜虐的な妖しい色香が魅力の絵師。原画はもう、美しい! 下絵なしの一発書きで、よくこんなに描けるものよ。彦造は伊藤一刀斎の裔といい、幼年から真剣で修行。陸軍大将・荒木貞夫とも縁が深い。憂国の情高く、戦時中、何を思い余ったのか自らの血で「神武天皇御東征の図」を描き、それで貧血を起こしていた人。
マッチョな人かと思っていたら、写真の彦造は細く、丸眼鏡をかけた静かな青年だった。10代の頃は体が弱く、父親は彦造が長くは生きられないと思ったそうだ。その他もろもろ、おそらく兵役は無理と思われる体で、彦造は思うところがあったのかもしれない。当時の社会状況では、一人前の男というのに肩身が狭かったのではなかろうか。血で絵を描いたのは20代後半。屈折を青年の直情で昇華している。

東京国立博物館「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」

弥生美術館からは、歩きで上野へ。まっすぐ行けば30分程度だが、途中の根津「ゆうcafe」で休憩。ぶらぶらと17時頃、東京国立博物館に着いた。金曜は夜20:00までの開館なので、この時間でも大丈夫。「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」、これが観たかったのよ。伊藤彦造伊藤若冲、伊藤つながりです。
平日金曜夕方17時以降、ということで、そこそこの人波、ほどほどに観られて満足。ベルトコンベアーのように、流れずにすんだもの。プライスさんは虎の絵が好きなのかな。特別展示の照明変化では、光の当て方で、絵の表情が変わるのが面白かった。
若冲の絵がずらりと並んだ室では、大学生と思しき3人組が「細かー」「細かいよー」「若冲、A型?」「A型じゃね?」「こんな細かいの、A型だよねー」と言いあっていた。どうだろう。「若冲〜」展は1時間半ほどの鑑賞。あとは東洋館、本館をざっと流して、20時閉館まで楽しんだ。
さて、若冲と江戸絵画展は、公式ブログ「『若冲と江戸絵画』展コレクションブログ」を見てから行くと、さらに楽しめると思う。出展全109点に対して、蒐集家プライスさん本人の解説とコメントがついています。携帯版ブログでは、チケット割引になる壁紙ダウンロードがあるよ。