俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

昔は「金の卵」?

午前、チケ争奪戦に玉砕せり。数々の先行にやぶれたすえの、一般玉砕。あとはキャンセル待ちか、当日券狙いで行くしかない……くっ。
やる気をなくして、14時近くまで寝る。夜、賃貸更新手続き書類に記入して、封筒を緘した。更新料の家賃1カ月がとんでいく〜。更新料のかからない公団がうらやましい。
ながら視聴でもするかと、TVをつけた。NHKスペシャル「フリーター漂流 〜モノ作りの現場で〜」、製造現場の工場で働くフリーターと、彼らを派遣する請負会社を追った番組だった。たしか、製造業への人材派遣は『偽装請負』と呼ばれて、違法だったんじゃ……と思っていたら、2004年3月施行の「改正労働者派遣法」にともない、解禁されたとのこと。違法だった前から、偽装請負が現場では常態化していたようだから、現実に即した動き、なんだろうか。

「派遣」と「請負」は、同じ人材派遣行為でもちがう。

「派遣」は、派遣先と派遣元が、労働者に対して管理責任を負う。ゆえに、
  1)派遣先の社員は、労働者に直接、指示できる。
  2)労災事故が起きた場合、派遣先、派遣元の双方で負担する。
    (派遣先も、社会保険料の負担をしなくてはならない)

「請負」は、派遣元(請負者)1社のみが労働者に対して管理責任を負う。ゆえに、
  1)派遣先(発注者)の社員は、業務上問題があっても、
    労働者に直接、指示できない。
    (請負者の社員がリーダーとして赴任し、労働者を指示する)
  2)労災事故が起きた場合、請負者が負担する。
    (発注者は、管理責任を負わない=社会保険料の負担はなし)

簡単に書くと、以上のようであろうか。
番組は、「派遣」ではなく「請負」で働く人々を追った内容で、番組の作り方もあるのか、実態がそうであるのか、観ているうちに気が重くなってきた。高度成長期、「金の卵」と呼ばれた中卒の集団就職と似ているような気がしたが、それよりも企業に責任のかからない形で、人員調整しやすいようになっている。シビアだ。
製造業の実態については、門外漢のためわからず、曖昧な書き方になってしまった。参考までに、以下を貼り付けておきます。
「金の卵」について(「昭和歌謡とわれらの時代」HPより)
労働者派遣と請負の区分(「神奈川労働局労働基準部 安全課」HPより)
製造派遣と業務請負の違い(「旭化成アミダス 生産支援事業部」より)
あなたの使用者はだれですか? 偽装請負ってナニ?(「東京労働局」HPより)
労働者派遣事業関係(「東京労働局」HPより)
派遣、業務委託、請負いったいどこが違うの?村上商工会議所HP内「村上商工会議所ニュース 専門相談員に聞く」より) 【←2005.2.9.追記】

【2005.2.9.追記】
上記リンク先に、1点追加。記事を書く際、参考にしたひとつですが、貼る量が多いかと割愛したものを復活させました。
NHKスペシャル「フリーター漂流」は、けっこう反響をよんだ番組らしく、いろいろなブログで話題にされたようです。そのうちの一人、id:nopikoさんが「どんな位置のヒトがどんな感想を持ってるか」に興味をもち、いろいろまとめてメモをとられたのがこちら→http://d.hatena.ne.jp/nopiko/20050206
大変おもしろいので、興味がある方は、飛んでいってみてください。
id:nopikoさんがあげられたURLを、まだ全部見てはいないのですが、Nスペで追っていた請負は、どうも「偽装請負 (=実態は派遣。納品ではなく、労働力を提供している。請負をよそおう派遣状態で、社保を支払わずして労働者を管理指示している)」の疑いが濃厚ですね。発注者の工場社員が、請負会社の人間にあれこれ注文をつけていて (この現場は今日で閉めるから今すぐ移動、とか)、何かそぐわない気がしたのですが、NHKで放送されるのだから、法は遵守しているはずよね……と思いこんでいたのでした。つまり、それだけ現場は法スレスレのギリギリ常態であると……いうわけかな?

この番組を観て気が沈んだのは、ダイレクトな人間のコマ扱いに、会社員の一人として身につまされたところがあります。大なり小なり、勤めているとコマだなあと思わされることがあると思うのですよ。「明日は我が身」というか、フリーターの立場の人も、請負会社の社員も、発注者の工場責任者も、同じコマなんだよね、大きくみれば。いつ取り替えられるかわからない。
それでも働くのは、コマではなく、人間扱いされる瞬間もあるからで、そうじゃないとやってられんですよー。「君が必要なんだ」と、嘘でもいいから言うといいと思う。先の番組でいえば、「キツイし安いけれど、俺達が日本経済を支えている」くらいの気概をもたせられないと、なかなか続かないのでは。どこかでプライドを支えられるものがないと、精神的にキツそう。コマではなく、人間として生きていきたいものね。まとまらない〆ですみません。