俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

子役がすごい

3連休最終日。ラグマットを洗う。午前にチケ取りしたあとは、のんびりごろごろ。体力値のキープです。で、夕方からがわたしの時間。映画を観に出かけたよ。

誰も知らない Nobody Knows

●公式HP
http://www.daremoshiranai.com/

「混んでて観られなかった」と何人からか聞き、逆に興味がわいて、あまのじゃくに行ってみた。公開から少し経ったせいか、直前でも座れる。16:30の回、9割の入り。
1988年に起きた「西巣鴨子供4人置き去り事件」をモチーフにした映画。事件をその通りなぞるのではなく、“モチーフ”として扱い、フィクションを加えてある。むしろ、そのフィクションから、子供たちが何を見ていたのかを探りあてようとしているようだ。

カンヌで主演男優賞をとった柳楽優弥くんは、たしかにすごい! でも、彼だけではなく、他の子役たちもすごく自然で、いい。是枝監督は、柳楽くんの受賞について、

みんなを代表してもらったんだって子ども達には説明してるし、本人もそのつもりでいます。そこは大事なとこなんですよ。子どもはみんなよかったんです。
――『誰も知らない』是枝裕和さんインタビュー(「おのぞみドットコム」より)

と述べているが、その通り。子供たちの四季を1年間(!)順撮りしてるだけあって、表情や成長がよく出てます。

この映画のもう一つの主役は、部屋だ。その散らかり具合が、子供たちの心情をうつす鏡となっている。うまいなあ。
監督は、実際の事件で、柳楽くん演じる長男が、妹たちの面倒を見続けたのはなぜか、どうして家から逃げ出さなかったか疑問に思ったそうだ。事件発覚後、裁判の席で母親と再会した彼は、母の期待に応えられなかった自分を責めて涙を流したそうである。

ここまで事件を辿って来た時に、僕はこの少年がいとおしくてたまらなくなってしまったのである。(中略)だから僕は、僕の心の中で彼をしっかりと抱きしめるためにこの映画を作ることを決意した。
――是枝裕和「演出ノート」(『誰も知らない』映画パンフレットより)

そんな、監督の祈りを感じた映画だった。パンフレットも充実してます。