俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

少女の時間

遅まきながら、姪っ子ちゃん出産祝いを購入。「3匹のこぶた」ちゃんの、小ちゃな指人形&友人おすすめの絵本1冊です。もちろん、指人形は口にいれてもOKな安心素材。俺もほすぃー!
その後、「下妻物語」を観に行く。「キューティーハニー」と迷ったけれど、TVでみた「下妻」の番宣が面白そうだったので…GO!

下妻物語

銀座シャンテ・シネ、19:35の回。面白かった! 当日券の金額でも惜しくはないです。
友達なんていらない、お洋服だけあればいい、そんなロリータちゃん@深田恭子と、熱血の「だってダチだろ?」なヤンキーちゃん@土屋アンナの、友情物語。映像のつくりこみ、脇役のおかしさ*1、スピーディで小ワザのきいた転換、いやあ満足です。
映画で使われていたアニメ映像は、SMAPコンで使用されたアニメと感じが似てた。同じひとが絵コンテをきって、映像化しているのかしら。(監督?)

とまあ、面白さ太鼓判の映画である。であるんだが、観終わったあと、悲しみがするりと心に入りこんだ。ロリータちゃんとヤンキーちゃんの、 少女の時間のはかなさを思って……。(と書くと、悲しい映画のように見えるけど、そんなことはないです。笑えるし、ほんとにオススメなのですよ!)

「自立」を嫌い、護られるラブリーなものでありたいと願い、「労働はキライ」と言い放つロリータちゃんは、現実から浮遊し、ここから消えて、どこか別の世界へいきたいと夢見ている。後半、彼女の「神」であるお洋服の仕事と関わりをもつが、はっきりその道に進む呈示はされない。バイク屋でバイトしているヤンキーちゃんも、高校卒業後、どうするかは描かれない。
あえて“卒業後”のことをぼかした、と思った。ロリとヤン(と以下略)は、彼氏がいない。ロリは友達も男も不要と考えているし、ナンパなレディースなど問題外なヤンは、男とつきあったことすらない。セックスは彼女たちから遠い。
ここで象徴的なのは、ヤンの憧れの先輩・亜樹美だ。彼女が男とともに生きることを宣言し、「(腹に) ガキがいんだよ」とコクるのは、レディース卒業の夜だった。卒業、それは少女時代への別れであり、扶養の主客逆転の始まりである。ロリとヤンの“卒業”は、映画では語られない。ただ二人乗りのバイクで疾走する、少女たちの満面の笑みで終わる。
それを観たわたしは、ヤンキーちゃんの喜ぶ笑顔をみて、なぜか泣きたくなったロリータちゃんのように、やはり泣きたくなったのです。

*1:荒川良々さんがここにも! 阿部サダヲさんがここでも!