恋する幼虫

今週いっぱいで終了する映画のレイトショー、「恋する幼虫」を観に行った。井口昇監督の一般劇場用映画で、主演は荒川良々さん。新井亜樹さん、松尾スズキさんも出ていて、個人的には好きなキャスティングなのだ。
上映の前に、漫画家の天久聖一さんと監督とのミニトークショー。天久さんと荒川さんは飲み友達らしく、そのご縁でいらしたもよう。本人同士はそれほど面識がなく、トークも少々かみあわない感じ。
映画の感想をきかれた天久さんが、一瞬ことばにつまってから「でもこれは純愛ですよね」とコメント。観終わってから、しみじみ思い出した。

映画の内容は……面白いけど放心。リリカルとグロテスクの共存。生理的に苦手な表現が一部でてきて、うーん困った(ホラー苦手なんです)。

漫画家役の荒川良々さんにいびられる、内気な新人編集者の新井亜樹さんがいい。この主従関係が、我を失った漫画家に頬をカッターで刺されて反転するのだが、そのねじれ加減がうまいんだ。フェティッシュな画面、漫画チックな演出も可笑しい。ちょっとホラーぽい見せ方ながら、「でもこれは純愛」なのですよ。

話の筋と関係なく、思ったことが２つ。
・男は序列をつけたがる（公的に）
・昔のことをいつまでも覚えていて、復讐しようとするのは男に多い
　（同窓会や学校に、遺恨を晴らすため爆発物をしかけるタイプ）
どうでしょう？